梅山修氏 J1新潟、次節につながる最後まで攻め続けた姿勢

2023年07月09日 04:30

サッカー

梅山修氏 J1新潟、次節につながる最後まで攻め続けた姿勢
失点には絡んだが、攻守に積極的な姿勢を見せた星 Photo By スポニチ
 【元アルビ・梅山チェック 新潟0―1神戸】結果的に最初の15分が最後まで重くのしかかった。
 その15分で見せた神戸の前線からの守備の激しさは、90分継続することは難しいレベルのもの。新潟としてはこの時間を耐える、あるいはその向かってくる矢印を折るようにパスで裏返していくことができれば、流れは必ず来ると予測できるような展開だった。しかし、耐えきれずに前半15分に失点。新潟にとって危険なシーンは、この失点と後半17分のクロスからのシュートくらいであったことが、なお悔やまれる。

 試合全体で見れば新潟の試合と言っていい内容だった。攻撃では2人のボランチと2人のFWがそれぞれ縦関係になることで中盤にひし形を作り、神戸の1人で担うボランチの横にできるスペースを基点に、ペナルティーエリアのより深く、よりゴールに近いスペースに何度も意図して進入していた。

 新潟をはじめ多くのチームがこのスペースを狙うのは、ゴールに近い場所から横に折り返されるボールに対して、ボールと相手を同一視するという守備の基本を難しくするからだ。クロスからの得点のうち、ペナルティーエリア内からのものが最も多かったという昨年データもそれを裏付けている。

 さらに、この日はシュート15本のうち半分以上がペナルティーエリアの外からだった。この理由は、新潟が深いところを目指したことによって、下がった相手の守備の外側から思い切って足を振ったのと、先述した守備的MFの横のスペースを優位に活用できていた証と言える。

 失点したシーンは結果的に星がボールを失う形になったが、その前も後も星のプレーは素晴らしかった。選手はミスをするとその後、ボール受けたがらなかったり、動きが小さくなったり、消極的なプレーになりがちだが、それまでと同じようにCBからボールを引き出し、機を見て背後へ飛び出した積極的な姿勢は、サッカーがミスとそれを乗り越える勇気のスポーツであることを学ばせてくれる。

 上位の神戸を相手に最後まで圧倒的に攻め続けたその姿勢は次節、札幌につながるだろう。(アルティスタ浅間監督)

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