なでしこ 22日W杯初戦 躍進の鍵は…攻守それぞれのポイント
2023年07月21日 04:35
サッカー
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1―0の前半37分、左サイドから1トップのFW田中美にボールが入ると、高い位置を取っていた長谷川が最終ラインの裏にフリーラン。スルーパスを受け、左足で冷静にゴールネットを揺らした。
「1人が前に出て、1人がバランスを取ることを意識してやっていた中で、ボランチが裏に抜け出すという新しい形をつくれたのは狙い通りだった」。中盤の底からゲームを読み、ボールを配球するだけでない。長谷川が手応えを口にした新たなオプションこそ、日本を高みに導くはずだ。
高い位置からの連動したプレスは大きな武器だ。最終ラインを押し上げ、敵陣でボールをからめ捕る守備はハマれば相手への脅威となる一方で、長いボールを蹴られると一気にひっくり返される危険もある。だからこそ、主将のDF熊谷を中心とした3バックにはロングボールをはね返す強さと判断力が求められる。ともにローマでプレーする熊谷とDF南とのコンビに加えて、1メートル72と長身で高い身体能力を誇るDF石川の働きが鍵となりそうだ。
20歳の俊英はパナマ戦で初先発し、存分に持ち味を発揮。好プレーで被シュート0に貢献した。身体能力が高いザンビア、コスタリカを仮想した一戦で池田監督は「スピードやフィジカル的な強さに期待した」と説明。貴重な経験を糧に、本番でさらなる成長に期待したい。
≪大会展望≫優勝争いの軸となるのは大会史上初の3連覇を狙う米国だ。FWではラピノーやモーガンら、ベテランに加えて18歳のトンプソンや元NBAスーパースターを父に持つロッドマンら若手も台頭。今年に入ってチーム最多の7得点を挙げていたスワンソンの負傷欠場は痛いが、攻撃力は高い。
対抗は昨夏の欧州選手権で初優勝したイングランド。ウィリアムソン主将ら複数の主軸欠場は痛いが、右サイドバックのブロンズらは世界屈指。1次リーグで日本と同組のスペインは、2年連続FIFA最優秀選手の司令塔プテリャスが左膝前十字じん帯断裂からの復帰で不安を抱えるが、欧州CL制覇のバルセロナ勢を軸にチーム力がある。CL準優勝のウォルフスブルク勢が支える優勝2回のドイツも侮れない。東京五輪金メダルのカナダは代表最多190得点の40歳シンクレアがどこまでチームを引っ張れるかが鍵となる。