女子W杯8強なでしこ 担当記者総括 守備の課題、攻撃の収穫が明確に パリで“真の快進撃”期待

2023年08月13日 04:40

サッカー

女子W杯8強なでしこ 担当記者総括 守備の課題、攻撃の収穫が明確に パリで“真の快進撃”期待
W杯8強進出が決まり喜ぶDF熊谷(中央・4番)ら女子日本代表「なでしこジャパン」イレブン(ロイター)
 女子W杯オーストラリア・ニュージーランド大会で日本代表「なでしこジャパン」のメンバーは12日、帰国した。11日の準々決勝でスウェーデンに1―2で敗れたものの、低迷する日本女子サッカーに希望をともした今大会の収穫と課題は何か。担当記者が1次リーグからの戦いを総括した。
 決して前評判の高くない中で「なでしこジャパンは健闘した」という評価が大半だろう。1次リーグは首位突破。準々決勝ではFIFAランク3位のスウェーデンに追いすがった。大会15得点は優勝した11年大会の12点より多く、1次リーグ無失点は初めて。だが本当に「快進撃」だったのか。実はFIFAランク上位国に勝利したのは1次リーグ第3戦、6位のスペインのみ。その他はランキング通りの勝敗だった。

 課題がはっきりしているのは守備面だ。大会通算3失点は全て、高さに屈した形か、そこが起点となっていた。ノルウェー戦では、左サイドから自由にクロスを上げられ、フリーでヘディングを許した。スウェーデン戦では、セットプレーのこぼれ球を押し込まれ、CKの守備でハンドをしてPKを与えた。

 一方で、ピッチ幅をうまく使った攻撃は機能した。センターバックとボランチからのフィードは精度が高く、スウェーデン戦でも中盤の底から左ウイングバックにボールが入ってゴールが生まれた。何より完成度の高さを評価したいのはカウンター。ボール奪取から切り替えの早さに加え、MF宮沢やFW植木らの快足と決定力も見事だった。

 U―20W杯で優勝した18年、準優勝だった22年のメンバー「池田チルドレン」が台頭。まだ伸びしろは多く、収穫の少なくない大会であった。21年10月の就任当初から池田監督が掲げた「奪う」は世界でも十分通用することは証明した。来年のパリ五輪へ、ブレることなく強化を続け、次こそ本当の快進撃を期待したい。 (古田土 恵介)

おすすめテーマ

2023年08月13日のニュース

特集

サッカーのランキング

【楽天】オススメアイテム