神戸・吉田監督がMFパトリッキをFW起用した理由は…
2023年08月27日 11:28
サッカー
特に“意外”だったのがパトリッキの起用法だった。後半23分にMF佐々木大樹との交代で投入された快足ドリブラーはサイドではなく「2トップ、もしくはその少し下」(吉田監督)のポジション。ビハインドの展開で4―3―3システムから4―4―2システムに変更することはあったが、大迫とFW武藤嘉紀が同時にピッチにいる際は日本代表コンビで2トップを形成することが多かった。前節・柏戦でも同様で、パトリッキはサイドMFで投入されていた。
だがFC東京戦は違った。指揮官いわく「これまで色々とトレーニングなどで試してきたが、大迫とパトリッキの相性が良かった」。また後半30分にDF飯野七聖を右サイドバックで送り込んだが「(パトリッキも飯野も)2人とも縦への推進力はある一方でタメが作りにくい」との意図でフィジカルの強い武藤を右サイドに固定。試合終盤は早いタイミングでのクロスが多用されることも想定し、高さで長友との“ミスマッチ”を作る狙いもあった。そしてパトリッキは絶妙なラインブレークからPKを誘発し、期待に応えた。
決して選手層が厚いわけではなく、夏場の疲労度も隠せない。残り9試合。さらに熾烈な戦いが予想される今後、指揮官の大胆かつ繊細な交代策も大きなカギを握りそうだ。