【Jトピ~データで読み解く】不利な状況で光る川崎F鬼木采配 退場で10人の時間も得失点差プラス

2023年11月01日 06:00

サッカー

【Jトピ~データで読み解く】不利な状況で光る川崎F鬼木采配 退場で10人の時間も得失点差プラス
川崎F・鬼木達監督 Photo By スポニチ
 川崎Fは10月29日の柏戦で1点を追う後半に、退場者を出しながらも追いつき1―1で引き分けた。今季川崎Fの退場は全チーム最多の7度目。それでも鬼木達監督(49)が危機管理能力を発揮し、1人少ない影響を最小限にとどめている。
 柏戦では後半6分、同開始から投入されたFW遠野大弥が自身のトラップミスを拾おうとして足を伸ばしたものの、ボールに届かず足裏が相手選手の足に掛かる形に。VAR判定の結果、同9分に一発退場となった。

 今季の川崎Fは開幕からいきなり2試合連続で退場者を出すと以降も重なり、遠野で今季全18チーム最多の7度目。以下は鹿島の5度、5チームの3度と続く。7度は全て違う選手によるもの。退場理由は遠野を含む「著しく不正なプレー」と「手以外による得点機会阻止」が各3度、警告2回が1度となっている。

 時間帯は8月の神戸戦が前半37分で最も早く、そのプレーで与えた直接FKを決められ、そのまま0―1で敗れた。だが退場が後半だった残り6試合は、1人少ない時間帯(計126分+6試合のアディショナルタイム)の失点がなんと0。逆にその間に計4得点を奪っている。2月の鹿島戦では、10人になった後半38分以降に2得点を挙げ、見事な逆転勝ちを収めた。

 柏戦で攻撃的MFの一角を失った鬼木監督は「早い時間に構えるのではなく前に出ないと、長い時間難しい展開になる」と考え、選手交代を敢行した。前線を3人から2人に減らす4―3―2の布陣を敷き、ボール保持を継続。その直後に鮮やかなパスワークから、1列前にプレー位置を変えたMF橘田健人の同点弾が生まれた。

 サッカーのピッチは広く、10人と11人の差が目に見えて現れる局面はそう多くない。たとえ10人になっても戦い方次第で十分に勝機があることを、鬼木監督の采配が示している。(データ提供・データスタジアム)

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