守田の叫びは森保監督に届くのか― “誤算”アジア杯準々決勝敗退で見えたボトムアップ式の限界
2024年02月05日 04:30
サッカー
「結局(イラク戦で)露呈した弱みを本当の意味で修正できなかった。いろいろ考えすぎて頭がパンクというか、正直、アドバイスとか外から“こうした方がいい”とか、チームとして“これを徹底しよう”とか…欲しいですね」。勝利を欲した男からの首脳陣に向けたSOSだった。
ボトムアップ式のチームづくりに壁が立ちはだかった。「僕はチームのためを考えて思考を止めないですけど、決定権が僕にある必要はない。あくまで最後の微調整だけでいいのかなと。ちょっと担っているものが…。もっと欲しいですね、いろいろと」。ビルドアップの仕方、つまりは攻撃方法の外枠が足りていなかった。
個々の能力は上がっている。だが「“これをしなかったそいつが悪い”というところまで深掘りできないんですよね。逆に言えば突き詰められない原因というか“どこが悪くてこいつのせい”と言い切れないのがチームの弱みかなと思う」。守田は突きつけられた課題を受け止め、勇気を持って言葉にした。
DF冨安も「勝ちへの執着心が足りない。ピッチ内で熱量を感じられなかった」と厳しい言葉を残した。大会前は歴代最長のAマッチ10連勝を飾ったが、結果はアジアで8強止まり。来月にはW杯2次予選も待つ。世界一を目指すと公言する26年W杯へ、選手からの勇気ある言葉は森保監督に届くか――。日本代表は岐路に立たされたと言っていい。
▼MF三笘薫 延長戦もある中でチームとして何をすべきかというところを一人一人が一つになって動いていたかというと、そうではなかった。球際とかで勝ちたい気持ちが出ると思うが、そこで負けていたのを受け止めないと。
▼MF久保建英 (流れが)悪くなった時でも自分たちのやりたいことをやればよかった。今はコメントする気にならない。いったん落ち着きたい。もっとやれた。もっと得点に絡みたかった。大会通して、あれが僕の限界かなと。
▼DF板倉滉 敗因は自分にある。最後もその前の失点も全部、自分のところから。こんなに自分自身でゲームを壊すことは今までになかった。ああいうパフォーマンスをしている時点で代表選手としてピッチに立つ資格はない。
▼MF遠藤航 アジアの戦いとW杯の戦いはやはり違うと改めて感じた。アジアを勝つのは難しいと思い知らされた。自分たちも勝負強さをこれからつけていかなきゃいけない。