U-23代表にサプライズ選出!筑波大FW内野航太郎は韓国キラー 大岩監督期待ラッキーボーイになれるか
2024年04月05日 05:00
サッカー
新たな点取り屋として期待される。フィジカルはもちろん、最大の武器は嗅覚を生かした決定力だ。「ゴールすること、ペナルティーエリア内の駆け引きや(好機で味方からボールをもらうための)動き出しが一番の強み」と自信を口にする。
横浜ユース時代の22年シーズンは、プレミアリーグイースト歴代最多の21得点をマークし、得点王を獲得した。トップチームの練習にも参加したが、プロの壁を痛感し「大学で心身を鍛え直そうと決めた」と筑波大へ進学。同大から世界へ羽ばたいたブライトンMF三笘に影響を受け「ステップアップの形として追いかけたい」と将来を思い描く。順調に成長し、昨季関東大学リーグ1部で9得点を挙げ、その三笘が在籍した17年以来6年ぶりの優勝に貢献した。
韓国キラーとしての使命も担う。昨秋のアジア大会は決勝の韓国戦を含む4得点。大学選抜として出場した3月の韓国戦は2ゴールでMVPを手にした。宿敵と激突する1次リーグB組最終戦を念頭に、「アジアに強いから呼んでもらえたのかな。またゴールを決めたい」と待ち望む。
チームがMF斉藤光毅(スパルタ)ら海外組招集に難航する中で舞い込んできた大きなチャンス。大岩監督は「ラッキーボーイやチームを前進させてくれるような選手が出てきてほしい」とニューヒーロー誕生を求めている。目指すは04年アテネ五輪の平山相太(筑波大)と徳永悠平(早大)以来となる大学生での五輪出場だ。「五輪のピッチに立てる可能性もある。チームに貢献してつかみ取りたい」。アジアを制し、大学2年の夏はパリで過ごす。 (滝本 雄大)
◇内野 航太郎(うちの・こうたろう)2004年(平16)6月19日生まれ、横浜市出身の19歳。小学生時代に地元のSCHフットボールクラブで本格的にサッカーを始め、中学時代に横浜ジュニアユースに入団しユース時代の22年にはトップチームに2種登録。23年度に筑波大に進学。日本代表はU―16世代から各年代で選出され、昨年はU―22日本代表でアジア大会に出場。1メートル85、79キロ。利き足は右。
【アジア最終予選 ラッキーボーイ】
☆96年アトランタ五輪 エースFW前園が出場4戦4発の大活躍で銅メダルを獲得した68年メキシコ大会以来、28年ぶりの五輪出場へけん引。
☆00年シドニー五輪 タイ、カザフスタンとの三つ巴の戦いに黄金世代中心で臨み、FW平瀬が4戦6発と爆発し連続出場に貢献。
☆04年アテネ五輪 エースFW平山が無得点に終わった中、FW田中達、FW高松が奮闘。第2戦のレバノン戦、第3戦のUAE戦でともに得点を決めてチームに勢いをもたらした。
☆08年北京五輪 07年2月に日本国籍を取得したFW李が、直後にU―22日本代表入りし、2次予選で2得点を挙げ、最終予選でも2得点を決めた。
《アジア杯4位なら 5・9に大陸間プレーオフ》
○…大岩ジャパンがU―23アジア杯で4位に終わった場合、最後の五輪切符を懸けてアフリカ予選4位のギニアと戦う大陸間プレーオフ(PO)が、大会直後の5月9日にパリ(フランス)で行われることが4日までに分かった。その場合は拘束期間がさらに延び、国内組は最大6試合の欠場となる見込みだ。
《植中、染野ら選外》
○…国内組では3月にメンバー入りしたFW植中(横浜)、FW染野(東京V)らが選外となった。1クラブ上限3人までと定められ、野沢、松木、荒木の3選手が選出されたFC東京からはDFバングーナガンデの招集が見送られた。個別に各クラブとの交渉が必須だった海外組では立ち上げから主力を担ってきた斉藤、鈴木唯(ブレンビー)らが選外に。GK鈴木彩はシントトロイデンの監督が残留を強く求めたため、漏れた。