学生、社会人、シニア、東京五輪ボランティアはさまざまなメンバーで力を合わせる

2019年11月04日 09:30

社会

 東京五輪でボランティアとして実際に活動する人々は一体どんな思いで大会を支えようと思ったのか。学生、障がい者、社会人、シニアと背景の異なる4人に意気込みを聞いた。
 《ルール作り大事に、渡部啓亮さん25歳》大学院を休学して「日本財団ボランティアサポートセンター」で働く渡部啓亮さん(25)はリーダーを希望している一人。ラグビーW杯でも東京会場の観客誘導などをした。経験を重ねて感じたのは現場のルール。困った時に居場所をすぐ連絡したり、休憩をどう回すかなど状況に合わせて「ここが大事というルールをチームで一つ作る」と本番に役立つという。リーダーに選ばれた際には「周りを頼りながら一緒にチームを作りたい」と意気込んだ。

 《高齢者への支援も、石田隆雄さん30歳》筑波大理療科教員養成施設2年の石田隆雄さん(30)は小学生でぶどう膜炎を患い、高校生になるとほぼ視力を失った。「支えてもらうだけでなく、支え合いたい」と大会ボランティアへの参加を決めた。育ててくれた祖父母が中学時代に相次いで他界。「祖父母に何も恩返しできなかった分、高齢者の支援もできたら」と特別な思いも抱く。マッサージなど専門性に加え、英語、イタリア語、ドイツ語を話せるため「与えられた持ち場で頑張ります」と気合十分だ。

 《余裕でき参加決断、細田稔さん65歳》「今までは仕事で時間をつくれなかったけど、余裕ができたから」と千葉県柏市の会社員細田稔さん(65)は初めてボランティアに挑戦する。父親がNHK勤務だった関係で、64年東京五輪は当時としては珍しいカラーテレビで開幕式を見届けた。それから半世紀以上が過ぎ「一生に一度の雰囲気を味わいたかった」と迷うことなく応募。IT関連の仕事を通じて英語や中国語を習得しており「ぜひ多国籍チームで活動したい」と国際交流を楽しみにしている。

 《英語と手話を学ぶ、村上友美さん28歳》大手旅行会社で働く村上友美さん(28)は本番に向けて英語と手話を学びスキルアップに励む日々。社報でボランティアをすることが紹介され「全世界の支店にも配られて、全然話したことのない社員からも声を掛けられるようになった」と仕事にも好影響をもたらした。野球観戦が大好きで、巨人ファン。一緒に活動するならどんなリーダーがいいかという質問には「野球選手なら(元巨人で広島の)長野久義選手のようなムードメーカーかな」と笑みを浮かべた。

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