ゲンキのたからばこ第9回「命（いのち）の安全教育」プライベートゾーン、デジタルタトゥーってなに？

　大阪府泉大津市教育委員会とスポーツニッポン新聞社の共同企画連載「ゲンキのたからばこ」は昨年7月にスタートしました。泉大津市内の小学校では「保健」「食育」の授業の中で、生活習慣や食生活、性教育なども指導しています。それらの内容を、YouTube動画などを活用して、分かりやすく説明していきます。第9回は「生命（いのち）の安全教育」です。 【YouTube　第9回　「命（いのち）の安全教育」プライベートゾーン、デジタルタトゥーってなに？】 　皆さんこんにちは。穴師小学校で保健の先生をしている橋田です。
　今回は自分の体を守るために知っておいてほしいことを伝えます。

　――「生命（いのち）の安全教育」という言葉を聞いたことがありますか？

　令和3（2021）年4月に文部科学省から教材や手引きが発表されました。内容は文部科学省のホームページで見ることができます。

　穴師小学校ではその手引きや教材を参考にして、令和4年度から生命（いのち）の安全教育を始めています。

　昨年度と今年度で以下の内容を全学年に実施しました。

　【プールに入るとき、風呂に入るとき】

　――プールに入るときには何を着て入りますか？

　水着を着て入りますね。

　――家でお風呂に入るときには、水着を着ますか？

　水着を着ずに裸で入りますね。

　――なぜプールに入るときには水着を着るのでしょうか？

　答えは、プールに入るときには、友達や知らない人と入るから、体を隠すために水着を着ます。実はこの水着で隠れている部分は『自分だけのだいじなところ』といいます。

　他の言い方では『プライベートゾーン』ともいいます。水着で隠れていない顔や口もプライベートゾーンです。水着で隠れているプライベートゾーンは、他人に見せたり、触らせたりしてはいけません。顔や口も同じです。それは自分の体を守るために大切な約束です。

　【日常生活で】

　――お風呂から上がった後、裸で家の中をうろうろしていませんか？　リビングルームで着替えたりしていませんか？

　思いがけず、お客さんが来ることもあるので、家の中でも裸でうろうろせず、着替えてから、出て行きましょう。

　【友達と一緒にいるときに】

　――仲がいいからと遊んでいるときにふざけて、友達にいきなり触ったりしていませんか？

　急に触られると驚いてしまったり、嫌な気持ちなったりしますよね。

　――体操服に着替えるときにジロジロ見られたらどう思いますか？

　私だったらとてもいやな気持ちになります。プライベートゾーンは周りの友達にもあります。相手のことを考えて、行動することはとても大切です。

　【もしものときは】

　――自分がいきなり触られそうになったり、ジロジロ見られて嫌な気持ちになった時は？

　やめて、いやだ、と相手に伝えてください。伝える事が難しいときには、その場から逃げましょう。近くにいる大人に助けを求めても構いません。そのあとは家の人や先生に、どんな事があったのか、どんな気持ちだったのか伝えましょう。自分の体を守るために大切なことです。覚えておいてください。

　【穴師小学校で高学年に注意をうながしていること】

　――皆さんはスマートフォンやタブレット端末を持っていますか？　持っている人はSNSで誰かとつながったりしていますか？　写真をSNSで共有したりしていません？　友達同士のやりとりだからとSNSにあげてしまってはいませんか？

　スマートフォンやタブレットは簡単に写真や動画が撮れて、加工もできて楽しいですが、顔もプライベートゾーンです。気をつけてほしいことは、気軽な気持ちで（写真や動画を）アップして、あとで“しまった”と思っても取り返しのつかないことになります。

　自分で（アップした画像などを）消しても、誰かがその前にコピーしていたり、インターネット上にあげてしまっていたら手遅れです。自分が意図しないかたちで提供したくない情報がインターネット上にアップされてしまうことがあります。

　デジタル空間に入った情報がタトゥーのように残って消えないことからデジタルタトゥーと呼ばれています。どんな情報でも、快く思わない人は存在します。写真を含めたいろいろな情報をSNSで発信しない選択も重要です。

　今回はプライベートゾーン、デジタルタトゥーについて話をしました。どちらも自分の体を守るために知っておいてほしいことです。これは子どもたちだけではなく、どの世代の方にも知っておいてほしいことです。