蓮舫氏 グレーな事前運動 告示前の発言は「政治活動の発言」と繰り返すも歯切れ悪く…

2024年06月09日 05:30

社会

蓮舫氏 グレーな事前運動 告示前の発言は「政治活動の発言」と繰り返すも歯切れ悪く…
明治神宮外苑の視察に訪れた蓮舫氏(撮影・菊地 一) Photo By スポニチ
 東京都知事選(20日告示、7月7日投開票)への立候補を表明している立憲民主党の蓮舫参院議員が8日、多数の樹木が伐採されると反対論が高まっている明治神宮外苑(新宿区など)再開発事業の現場を視察した。
 認可した都に見直しを求めている国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関、国際記念物遺跡会議(イコモス)の関係者と見て回り、「点在する木々や森が高層ビルに変わるのは都民の理解が得られているのか」と疑問視。「一度決まった再開発も首長の判断で立ち止まることはできる」と小池百合子知事の姿勢を批判した。

 都が事業者側に求めている樹木保全策に関し「いまだに出てきていないのは、何らかの力が働いているとしかにおわない」と言及し「立ち止まるべき」と重ねて強調。公約未発表に批判の声が上がるが、外苑問題は「当然争点」と言い切った。

 昨年に続き2度目の外苑視察。小池氏は、音楽家の坂本龍一さんが亡くなる約1カ月前に送っていた見直しを求める手紙を受け取った後も、足を運んでいないと批判を受けており、効果的な対比を狙ったものとみられる。

 1週間前には、都庁近くでNPO法人による生活困窮者への食料配布の様子を視察。都庁外壁では2年間で約18億円が投入されるプロジェクションマッピングが行われており、小池都政の無駄遣いをアピールした。この日は「晴海フラッグ」(中央区)を見に行くと予告。都が五輪選手村を改修、ファミリー向けに開発したマンション群は、投資目的の法人所有が相次ぐ状況で問題化。一連の視察で小池都政の暗部をあぶり出す戦略のようだ。

 一方、外苑問題を冗舌に語っていたのとは対照的に、2日の街頭演説を巡り公職選挙法違反となる事前運動の可能性があると記者団から問われると「政治活動の発言」と一言だけ。7日の参院本会議終了後、演説問題などを聞こうと集まった記者団の呼び掛けに応じず、素通りしていただけに発言が注目されていた。専門家からはグレーとの指摘があり、「白か黒かで言えば白か」と突っ込まれても「政治活動の発言」と繰り返すだけだった。トレードマークは白のスーツ。しかし、認めるのか認めないのか、認識を一切示さない歯切れの悪さで、グレーとの印象だけを与えた。

 蓮舫氏は2日に東京・有楽町駅前で行った出馬表明後初めての街頭演説で「七夕に予定されている東京都知事選に蓮舫は挑戦します。皆さんのご支援どうかよろしくお願いします」と発言。応援に立った枝野幸男衆院議員も「みんなで蓮舫さんを勝たせましょう」と述べていた。
 ≪小野沢所沢市長は告示前発言で今年5月書類送検≫NHKから国民を守る党の浜田聡参院議員は6日の参院総務委員会で、2人の発言について、公選法が禁じる選挙告示前の「事前運動」に当たるのではないかと指摘した。昨年10月の埼玉県所沢市長選で初当選した小野塚勝俊市長は、告示前に「市長選に絶対勝ちます。皆さんのお力を頂きたい」と発言したことで、今年5月に事前運動の疑いで書類送検されている。浜田氏は2人の発言についても「選挙の特定、候補者の特定、投票依頼という事前運動に該当する3要件を満たしている」とし、「今回の事例を見逃すといった例外があってはならない」と強く訴えた。

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