フランス高速鉄道で破壊行為 TGV3路線放火 大会妨害目的か

2024年07月27日 04:35

社会

フランス高速鉄道で破壊行為 TGV3路線放火 大会妨害目的か
ナントを出発しパリに向かうTGVはル・マンで足止め(撮影・岡田 丈靖) Photo By スポニチ
 パリ五輪の開会式を26日夜(現地時間)に控えたフランスで25日夜から26日早朝にかけて、高速列車TGVの3路線が放火など複数の破壊行為を受けた。フランス国鉄は「運行をまひさせる大規模な攻撃だ」と指摘した。人的被害は伝えられていない。犯行声明などは出ていないが、五輪の妨害を狙った可能性があり、検察当局は組織犯罪とみて捜査を開始した。
 修復作業は週末まで続き、一部は週明けにずれ込む見通し。選手の移動に影響を与える恐れがある。25日にフランス西部ナントでスペインと戦ったサッカー女子日本代表「なでしこジャパン」は26日午後にTGVでパリに移動する予定だったため、急きょ長時間のバス移動を強いられた。

 パリから北部リール、南西部ボルドー、東部ストラスブールなどを結ぶ3路線で線路沿いの設備に放火され、線路の切り替えなどを行う多くのケーブルが切断されるなどした。南部マルセイユに向かう路線では鉄道員が不審人物を見つけて通報、犯行が防がれた。

 26日は多くの人がパリに移動する予定だった。また、夏の休暇の出発時期とも重なり、パリ市内の主要駅は行き場を失った利用客であふれ返った。同国鉄は旅行延期を呼び掛け、約80万人に影響が出る見通し。ウデアカステラ・スポーツ相は地元テレビに「ぞっとする。五輪を標的にすることはフランスを標的にすることと同じだ」と非難した。

 また、フランス東部のバーゼル・ミュルーズ空港でも26日、爆破予告があり、旅行客らが一時避難した。安全が確認され空港は間もなく再開された。

 開会式警備に警官や憲兵約4万5000人以上を配備し厳戒態勢を敷く一方、地方ではほぼ通常通り。盲点を突かれた形で、当局は態勢見直しを迫られる可能性もありそうだ。

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