日航機墜落39年で遺族登山 御巣鷹の尾根で520人追悼

2024年08月13日 05:30

社会

日航機墜落39年で遺族登山 御巣鷹の尾根で520人追悼
事故で亡くなった次男の墓標に手を合わせる「8・12連絡会」事務局長の美谷島邦子さん(右から2人目)ら=12日午前、群馬県上野村 Photo By 共同
 520人が亡くなった1985年の日航ジャンボ機墜落事故から39年となった12日、遺族らが群馬県上野村にある現場の「御巣鷹の尾根」に慰霊登山した。犠牲者が見つかった場所にそれぞれ立つ墓標や、墜落地点の「昇魂之碑」に手を合わせ、追悼。夕方には麓の追悼施設「慰霊の園」で犠牲者をしのんだ。
 亡くなった加藤博幸さん=当時(21)=のおいの会社員小林隼也さん(34)=東京都=は、博幸さんの父で小林さんの祖父加藤留男さん=2002年に69歳で死去=が慰霊登山に使っていたリュックを担ぎ登山。「祖父も一緒に叔父に会いに来たと思う」と話した。

 日航によると、68家族の230人が登った。遺族らでつくる「8・12連絡会」の事務局長美谷島邦子さん(77)は「えぐれた山肌を埋めるように毎年歩いてきた。次世代に事故を伝える責務を果たしたい」と力を込めた。

 普段は電波が通じにくい山中でも通信できるよう、KDDI(au)が臨時基地局を設置。高齢で登山できない遺族にテレビ電話する人もいた。

 単独の航空事故としての死者数は現在でも世界最悪。今年1月には、羽田空港で日航機と海上保安庁の航空機が衝突し、海保機の5人が犠牲となる事故が起きた。日航の鳥取三津子社長にとって、就任後初めての8月12日当日の慰霊登山。記者団に「安全には少しの妥協も許されないと改めて感じた。異変に気付ける感度を持って臨みたい」と述べた。

 慰霊の園で開かれた追悼慰霊式では、犠牲者数と同じ520本のろうそくに火をともし、発生時刻の午後6時56分に合わせ黙とうした。

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