河野太郎氏、持論封印 支持拡大へ必死のイメチェン 「原発ゼロ」など掲げず自民党総裁選出馬表明
2024年08月27日 04:40
社会
ただ、威勢がよかったのはここまで。報道陣との質疑応答に入ると、代名詞になってきた“強気な態度”が消えた。エネルギー問題について問われると、持論の「原発ゼロ」をいきなり封印。「データセンター、AIなどで電力需要に対する供給ができていない」とし、原発の「リプレース(建て替え)も選択肢としてある」と発言した。
「女系天皇も含めて検討すべき」という従来の姿勢も封印した。党が4月に発表した「秋篠宮皇嗣殿下、悠仁親王殿下への皇位継承の流れをゆるがせにしてはならない」とした所見に基づいて「議論を進めるべき」と自説を曲げた。
態度も変わった。外相時代に会見で記者の質問を無視し「次の質問どうぞ」と連発。この日は質問者に「ありがとうございます」と“感謝”の言葉を添える低姿勢だった。
何が河野氏をここまで変えたのか。派閥裏金事件で党内の派閥で唯一存続した麻生派(54人)に所属。党関係者は「麻生派は支持を河野さん一人に絞らない方針。そんな中で河野さんは、党内で支持を広げるために保守層を意識した発言になったのでは」と話した。
最新の共同通信社の世論調査で「次の首相にふさわしい人」で4位に沈んだ河野氏。前回選で「小石河連合」として組んだ小泉氏、石破氏も出馬し、競合する。党重鎮は「河野氏も還暦を超え、かつての刷新感はない。これまで以上に党員への浸透を図り議員票を引き付けないと難しい」と見立てた。
≪不記載裏金返納を≫河野氏は派閥裏金事件を受けた党改革に関し信頼回復に向け政治資金収支報告書への不記載があった議員らに「不記載になった金額の返納を求める」とした。「書類の訂正で捜査当局的には終わったかもしれないが、国民から見てケジメがついたといえるのか」と続けた。「不記載だった議員を非公認にするという声があるが」との質問には「返納でケジメがつけば自民候補として国民の審判を仰ぐことになる」と語った。