茂木幹事長、自民党総裁選立候補表明 過去最多に並ぶ5人目 親近感アピールも“あらい”戦略

2024年09月05日 04:40

社会

茂木幹事長、自民党総裁選立候補表明 過去最多に並ぶ5人目 親近感アピールも“あらい”戦略
記者会見で自民党総裁選への立候補を表明する茂木幹事長 Photo By 共同
 自民党の茂木敏充幹事長が4日、東京都内で記者会見し、党総裁選(12日告示、27日投開票)への立候補を正式に表明した。総裁選に名乗りを上げたのは5人目。立候補制となった1972年以降の過去最多に並んだ。
 初出馬となる茂木氏は空色のネクタイ姿。成長戦略の推進で「増税ゼロ」、派閥裏金事件で焦点の一つとなった「政策活動費は廃止」などの政策を並べ「結果にコミットします」と“ドヤ顔”で両手の拳を握った。誰もが知るスポーツジム「ライザップ」のキャッチフレーズ。官僚の間に“茂木取り扱いマニュアル”が出回るほどの気難しいイメージを打ち消そうと、親近感をアピールした。

 経済産業相、経済再生担当相、外相など主要閣僚、党内では政調会長、幹事長と要職を歴任してきたことを強調。ただ、この“華麗なるキャリア”にもかかわらず、先月の共同通信の「次期自民党総裁にふさわしい人」調査では、1位の石破茂元幹事長が25・3%だったのに対し1・8%で7位と国民からの人気は低迷。報道陣からこれら世論調査の結果への受け止めを問われると「討論会での議論などを通じて支持を増やしていきたい」と答えた後「茂木という名前じゃなきゃ良かった。あいうえお順だと、必ず(候補者の中で)最後になる。“あらい”とかそういう名前に生まれれば良かったな」とジョークで釈明。今回出馬を表明・予定の候補者の一覧表で“あらい”なら一番上のベストポジションをゲットできると思ったようだが、出馬に意欲を見せている保守派の論客・青山繁晴参院議員の存在を忘れるという痛恨のミス。イメージ刷新の戦略は、詰めの甘い、なんとも“粗い”ものとなってしまった。

 岸田文雄首相の不出馬によって「令和の明智光秀」のそしりは免れたものの、この日の会見では防衛増税など岸田政権で決めた政策の転換方針も主張。党内からは「無節操だ」「やはり裏切り者の光秀だったということだ」などと憤る声も上がる。自身の茂木派からは加藤勝信元官房長官も出馬をうかがい、全面的な支持は得られそうにない中、麻生太郎副総裁に連携を要請し、非主流派のまとめ役と言われる菅義偉前首相にも接近している茂木氏。こうした“粗い言動”で立候補者の一番上を勝ち取れるのか。前途多難な総裁選が始まった。

 ≪「意外と敏充」に言及≫茂木氏は浸透しつつあるフレーズ「意外と敏充」にも言及。自身の“おちゃめ”な一面をアピールするもので「なんでも完璧にやってそうですが、時間の管理ができない、携帯電話を忘れて帰ったこともある」などと話した。ネット上には「セキュリティー上、問題あるのでは」の指摘もあった。出馬に伴い、5日から幹事長権限を総裁である岸田文雄首相へ移す考えも示した。

 ◇河野太郎デジタル相 自身のX(旧ツイッター)で総裁選の公約に掲げる一つとして、年末調整を廃止し全ての納税者に確定申告をしてもらう案を示した。必要な人に対象を絞り支援するための「デジタルセーフティーネット」構築のためだとしている。

 ◇塩谷立元文部科学相 次期衆院選に出馬しない意向を固めた。10日の支援者会合で表明する見通し。

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