“野田首相”消滅か? 与野党多数派工作活発化 国民・玉木代表が秋波拒否で利するは自民?
2024年10月29日 05:30
社会
野田氏がもくろむのは1993年衆院選で自民が第1党ながら過半数を割って誕生した「細川連立政権」の再現。8党派からなる非自民政権で日本新党の細川護熙氏が首相に就いた。野田氏はこの選挙に日本新党から出馬し初当選している。
首相指名選挙は第1回で過半数を獲得する議員がいなければ上位2人の決選投票。今回は石破茂首相と野田氏の決選投票となることが濃厚。野田氏は28日未明「国民民主と一致点を探していく対話を始めたい」と、大躍進した国民民主党に秋波を送った。この日、同党の玉木雄一郎代表は「幹事長レベルで一定の接触をしていると報告を受けている」と話した。野田氏は日本維新の会にも協力を呼びかけるとみられる。
自民も国民、維新に接近。関係者によると、森山裕幹事長は既に水面下で国民幹部に接触。首相もこの日「議席を大きく伸ばした党がある。(その政策を)取り入れることにちゅうちょしない」と国民にラブコール。多数派工作への日数確保で、首相は11月7日召集を検討していた特別国会を同11日召集の方向で調整へ。野田氏も自民が触手を伸ばしたことに素早く反応。「野党のチームをどうつくるか心を砕いていきたい」と対抗心を燃やした。
議席4倍増で注目される国民。玉木氏はテレビ番組で、決選投票にもつれた場合「無効となっても玉木と書く」と発言。衆院全465議席で国民の28票が無効になると指名獲得に必要なのは219。自公は215に非公認当選者らを追加公認していけば220に達する。永田町関係者は「玉木氏の行動は、結局は自民を利することになる。自分たちの政策を与党に高く売りつけようとしているのではないか」と指摘。野党関係者は「野田首相誕生には、自民党からの造反に期待するしかない」との声が漏れた。
《自民地方組織から退陣求める声》 石破茂首相(自民党総裁)は28日、党本部で記者会見し、与党過半数割れの大敗について「極めて厳しい審判だ」としたものの、続投を表明した。ただ自民の地方組織から首相の退陣を求める声も上がった。首相は会見で「国政の停滞は許されない」と強調。2024年度補正予算案や25年度予算案の編成に当たる考えを示し、政権継続への意欲を示した。公明党以外との連立枠組み拡大について「今時点で想定していない」と述べた。野党との連携を巡っては、国民民主党など政策や法案ごとに与党と連携する「部分連合」があるとみられる。