葛西 最年長V更新!結婚後初戴冠「やったぞー!レイチェル」
2014年12月01日 05:30
ジャンプ
葛西紀明(土屋ホーム)が42歳5カ月で優勝を飾り、今年1月に記録した自身の持つW杯史上最年長優勝記録を更新した。1回目に最長不倒の145メートルでトップに立ち、2回目は131・5メートルと距離を落としたが、合計272・2点はシモン・アマン(33=スイス)との同点優勝となった。今年1月以来の勝利で、通算勝利数もジャンプ男子の日本勢で単独最多を更新する17勝目。2月のソチ五輪ではラージヒルで銀、団体で銅メダルを獲得した“レジェンド”の熱い冬が再び始まった。
「やったぞー!レイチェルー!!」。42歳のレジェンドがテレビカメラに向かって叫んだ。2月に結婚してから初めての優勝。遠く北海道で待つ愛妻・怜奈さんのニックネームを叫びピースサインを送った。
1回目は踏み切った時点で「パーフェクトな飛躍」を確信した。「飛び出した瞬間にぴたっとはまった。そんなことは年間でもあまりない」という指折りの1本。両腕両脚を開いた独特の空中姿勢は微動だにせず、ヒルサイズを3メートルも超える最長不倒となった。
予感は朝起きた時からも感じていた。腹を触って体脂肪を確認するのが日課で、この日の感触は「来た。完璧だ」。ソチ五輪の活躍で人気者となり、オフは各方面に引っ張りだこ。ジャンプ練習は30~40本程度しか飛べず、量としては「例年の半分くらい」にとどまっていた。その影響は体重管理にも影響を及ぼし、先週までは1・5キロほど重かった。
それがここにきて59・3キロまで絞れ、走った後に水分を取ると葛西の使用するスキーの長さに対して規定ぎりぎりの体重になった。2回目は有利な向かい風が全選手で最も弱かったが、軽くなった体は何とか優勝ラインまで浮力を保ち続けた。
不惑を過ぎた選手が10代、20代の若手を圧倒する姿はファンを熱狂させ、同じ場で戦うライバルたちを勇気づける。近年は37歳のヤンネ・アホネン選手(フィンランド)が現役に復帰し、これまでなら引退していたような年代で競技を続けるケースが増えている。国際スキー連盟(FIS)でジャンプ競技を統括するワルター・ホファー氏は「カサイのおかげで、選手たちはより長く競技を続けられると実感できる」と評価した。その長いキャリアゆえに欧州では「レジェンド(伝説)」と呼ばれる人気者。フィンランドのファンも地元選手に劣らぬ声援で後押しし、「ノリ、スーパー」と優勝を称えた。
練習不足ゆえに、内心では「今季は勝てないだろう」とも思っていたという今シーズン。それがフタを開けてみれば、ここまで3戦は6、3、1位といい方に転がっている。連日の表彰台に「条件が同じなら俺が他の選手より上」と自信もよみがえってきた。「総合30位以内」と語っていた開幕前の目標は大幅に上方修正。「ここまできたなら総合優勝を狙っていきたい」。これまでの最年長記録は11~12シーズンのアンデシュ・バルダル(ノルウェー)の29歳。葛西が総合優勝を飾れば、もちろん大幅に記録更新である。
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