女子バスケ リオ王手!いざ大一番中国戦へ…主将「全力で」
2015年09月05日 05:30
バスケット
準決勝が行われ、日本は台湾に65―58で勝って決勝に進出、16年リオ五輪出場権獲得へあと1勝と迫った。1次リーグ全勝で1位通過の日本は、同4位の台湾の厳しいディフェンスに苦しみ、第3クオーターを終えて43―46とリードを許した。しかし、第4クオーターに本川紗奈生(23=シャンソン化粧品)らの活躍で逆転し、粘る相手を振り切った。準決勝のもう1試合は中国が韓国に60―45で快勝。5日の決勝で日本は中国と対戦し、勝てば3大会ぶりの五輪出場が決定、負ければ来年の世界最終予選へ回る。
張り詰めた空気を切り裂くように、本川が得意のドライブで相手守備網をかき乱した。高い壁の隙間を縫う、切れ味鋭いドリブルでゴールに迫る。1点リードした最終クオーター中盤には「思い切り打てた」と流れを引き寄せる3点シュート。不意を突く攻撃で突き放した。超攻撃的なゆえ、鼻や腰など人生5度の骨折を経験した“女侍”。それでも「怖がる意味が分からない」という魂のプレーが生き、日本を決勝の舞台に押し上げた。
12点差で臨んだ第2クオーター。ミスが重なり次々と失点した。吉田主将は「若いチームでバタバタしてしまう部分があった」と反省。1メートル96の相手センターの高さにも苦しみ、第3クオーターでは一時8点を追う展開となった。しかし、最後は地力の差を示し、内海監督は「なかなかすんなりとはいかないですね」と苦笑い。そして「最後、勝ち切れたことは良かった」と目尻を下げた。
シュート成功率は41・4%で台湾を下回り、ミスでボールを失うターンオーバーは19を数えた。台湾とは最近1カ月で5度対戦。全勝した相手でも、五輪切符が目前となれば、勝つことも容易ではない。決勝で激突するのは韓国を破った地元・中国。予選はラスト3秒で逆転勝利した難敵だが、さらに厳しい戦いが予想される。
8月上旬に国際連盟(FIBA)は無期限の資格停止処分を科していた日本協会への制裁を解いた。代表合宿が始まった6月は今大会の出場も決まっていなかったものの、信じて走り続けた選手の努力がもう少しで報われるところまで来た。苦難を乗り越えて得たチャンスを前に、吉田は「ここまで来たら気持ち。全員で、全力で相手に立ち向かいたい」ときっぱり。3大会ぶりの五輪出場へ最後の1勝に命を懸ける。
▼1次リーグ中国戦 第1クオーターを18―13で終えると、その後も厳しい守備からリズムをつくり、前半を6点リードで折り返した。後半も高さで勝る中国相手に渡嘉敷、吉田らのリバウンドで粘ると、55―56で迎えた終了3秒前に吉田がドリブル突破から決勝点を入れ、57―56で競り勝った。中国との全勝対決を制し、1次リーグ4連勝で首位通過を決めた。
▽リオデジャネイロ五輪への道 出場枠は12で開催国のブラジルと昨年の世界選手権優勝の米国は決定。地区予選優勝国である欧州・セルビア、北中南米・カナダ、オセアニア・オーストラリアは決まっておりアジア、アフリカの2地区の戦いが残る。アジア選手権2、3位が出場できる来年の世界最終予選で最後の5カ国が決まる。
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