葛西 前人未到W杯500戦 敬意の“金ワシゼッケン”
2016年03月18日 05:30
ジャンプ
葛西紀明(43=土屋ホーム)が史上最多のW杯個人通算500試合出場を達成した。表彰台は逃したものの、1回目、2回目ともに225メートルの好飛躍をそろえて合計397・9点で6位となった。88年12月の札幌大会で16歳でデビューしてから28季目。最年長優勝記録も持つレジェンドが新たな金字塔を打ち立てた。ペテル・プレブツ(23=スロベニア)が426・5点でジャンプ男子のシーズン単独最多記録となる今季14勝目を挙げた。
胸に光る金色の数字は「500」。金色のワシがあしらわれた特別デザインのゼッケンは、レジェンドに対するジャンプ界の敬意そのもの。1回目が終わった後には、長女・璃乃ちゃん用のミニゼッケンまで用意されていた。「凄いよね。しかも黄色と黒で僕の色」とサプライズ・プレゼントに感激の面持ちだった。
43歳、500戦目。いまだ世界のトップと互角に戦っている。その称賛が約2万人の大歓声だ。「ここまで盛り上がるとは。ニヤニヤしすぎてほっぺたが痛い」。ワシが滑空するように、両手両脚を広げた独特の空中姿勢で2回ともヒルサイズと同距離を飛んだ。「500試合で表彰台が目標だったけど、2回目は少しだけ消極的だった」と悔いものぞかせたが、その負けず嫌いが長い現役生活の支えでもあった。
「いろんなことがあった。40歳近くなるまで悔しい思いばっかり」。特に98年長野五輪で金メダルに輝いた団体メンバーから漏れたショックは大きかった。W杯で約10年間勝てない時期もあったが「また自分の時代が来る」と信じて技術を磨き続け、14年に復活のW杯優勝、ソチ五輪でも個人ラージヒルで銀、団体で銅メダルを獲得。確かに時代はやってきた。
「もう覚えていない」と笑うW杯初出場から28季目。ジャンプ男子のW杯は79~80年シーズンに始まったが、88~89年以前は上位選手の記録しか残っていない試合も多く、古い年代の正確な出場数は分からない。しかし、?西ほど長く戦っている選手はおらず、出場試合数はギネスにも認定された世界記録に間違いはない。「またあすから新たな気持ちで。600試合を目指します」。500の大台を飛び越え、レジェンドは前人未到の空を飛び続けている。
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