藍 集中の2差6位浮上 悪条件も小技で耐えた 悲願へ好位置
2016年06月12日 05:30
ゴルフ
20位から出た宮里藍(30=サントリー)が3バーディー、2ボギーの70で回り、通算イーブンパーの6位に浮上した。小技を駆使して、この日13人しかいなかったアンダーパーをマーク。首位と2打差の好位置で決勝ラウンドを迎える。宮里美香(26=NTTぷらら)は71で回り、通算3オーバーの23位、野村敏京(23=フリー)は75で通算7オーバーの56位に後退。横峯さくら(30=エプソン)は82も叩き、上原彩子(32=モスフードサービス)とともに予選落ちした。ブルック・ヘンダーソン(18=カナダ)ら2人が通算2アンダーの首位に並んだ。
雨にも寒さにも、メジャーならではの難セッティングにも負けなかった。宮里が3バーディー、2ボギーでこの日、出場した150人のうち13人しかいなかったアンダーパーの70をマーク。「集中力を切らさず最後までできた」と振り返った。
パットを修正し、リーダーズボードをじわりと上がった。2戦前のボルビック選手権でパットの際に少しハンドファーストになるよう手直しした。ところが今度は、ハンドファーストになり過ぎてフェースがかぶり右に押し出すミスを多発。初日のラウンド後の練習で直し、この日を迎えたら見違えた。
前半は一進一退だったが、小技がさえたのは強い雨が降り、気温もぐっと下がった後半だった。12番で6メートルのパーパットを沈めると、13番は10メートルのスライスラインをねじ込んで3つ目のバーディーを奪った。15番では花道から60センチに、16番パー4はピンまで64ヤードの第3打を1メートル弱に寄せる絶妙なアプローチ。「後半は雨で(グリーンが濡れ止まりやすいので)攻めていけた」と状況を見極め、18ホール中16ホールでピンがグリーンの端から6ヤード以内に切られたコースを攻略した。
米ツアーに本格参戦したばかりの06年、首位タイで最終日を迎えながら、1打及ばず3位に終わったのが今大会だ。あれから10年。その間、10年シーズンには年間5勝を挙げ、世界ランク1位にも立った一方、スランプも味わい、14年には賞金シード落ちも味わった。酸いも甘いも知り尽くしたから、首位と2打差の好位置にも冷静だ。
「週末に向けて疲労も出てくる。自分をうまくコントロールできるか」
自身を制御し、コースに向き合えば――。30歳最後の大会が笑顔となる。
▽宮里の06年全米女子プロ選手権 米メリーランド州のブルロックGCで行われた大会。宮里は第3ラウンドで69をマークして通算7アンダーまで伸ばして首位浮上。メジャー制覇を見据えた最終日だったが、72とスコアを伸ばせず1打差の3位に終わった。
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