高安2敗守った!すでに両横綱と対戦済み 小結Vに前進
2016年07月21日 05:30
相撲
小結・高安が優勝争いに踏みとどまった。2敗対決となった宝富士戦は相手が巻き替えに来たところを狙い、左上手投げで転がした。白鵬、日馬富士の両横綱、綱獲りの大関・稀勢の里も2敗を守り、優勝争いのトップは4人となった。高安は両横綱との対戦を終えており、稀勢の里は同部屋の兄弟子。横綱、大関の星のつぶし合いが控えている中、00年夏場所の魁皇以来となる小結での優勝が現実味を帯びてきた。
好調な小結は勝機を逃さなかった。2敗で並んでいた宝富士戦。得意の左四つでなく右四つとなったが、左上手をがっちりつかんだ。そして、相手がもろ差し狙いで左を巻き替えに来た直後、引きずるような上手投げで転がした。
「流れの中で右四つになったけど、まわしを引くことができた。体勢を立て直してしっかりいこうと思ったけど、巻き替えに来たので思い切り投げた」。相手が巻き替えたところで攻めるのは鉄則。宝富士は「逸ノ城や栃ノ心に巻き替えて勝っている。それを狙われた感じ。やられた。完敗です」と脱帽した。
優勝争いのトップは5人から4人となった。高安が喫した2敗は白鵬と日馬富士。それ以外には全勝と抜群の安定感を誇っている。並んでいる白鵬、日馬富士、稀勢の里は直接対決があるため2敗をキープできるのは多くても1人しかいない。つぶし合いになれば、いずれも3敗以下となる。高安が上位で対戦を残しているのは大関・照ノ富士だけ。ここを突破できれば2敗のまま場所を終える可能性は十分で最低でも優勝決定戦進出となる。
年6場所となった58年以降、小結で優勝を成し遂げたのは74年九州の魁傑、92年秋の貴花田、93年春の若花田、00年夏の魁皇しかいない。その4人はいずれも大関以上になっており、高安は“大関手形”が見えてきた格好だ。土俵下で取組を見た藤島審判長(元大関・武双山)も「優勝グループに名前があるのだから、負けられないというのはあるんじゃないか。高安は面白いんじゃないか」と優勝を狙える存在であるとみている。
兄弟子の稀勢の里の綱獲り場所ということもあって、高安は優勝争いについて「分かんないっす。毎日必死に頑張るだけ」と意識はしていない。「とりあえず今日は勝った。次は明日」。一日一番の平常心を貫き混戦場所を盛り上げる。
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