ロシア 陸上リオ出場できず 五輪全面除外に影響

2016年07月21日 22:17

五輪

 ロシアの国ぐるみのドーピング違反問題で、スポーツ仲裁裁判所(CAS、本部ローザンヌ=スイス)は21日、国際陸連がロシア陸上チームのリオデジャネイロ五輪出場を禁じた決定を支持する裁定を発表した。これにより、個人資格で出場する一部選手を除き、同国の陸上選手の五輪出場が不可能となる。今回の裁定で、同五輪からのロシア選手団の全面的除外につながる可能性が高まった。
 ロシア・オリンピック委員会(ROC)と同国選手68人が、国際陸連の決定の取り消しを求め、スポーツ紛争の解決を目的とする独立機関のCASに訴えていた。

 CASの判断を基に、国際オリンピック委員会(IOC)は24日に電話による緊急理事会を開き、8月5日に開幕する同五輪へのロシアの出場可否を協議する。スポーツ大国を五輪から締め出す事態となれば、五輪史に残る大きな汚点となる。

 ロシア陸上のドーピング問題では昨年11月、世界反ドーピング機関(WADA)の第三者委員会が組織的な不正を認定。これを受けて国際陸連がロシア陸連に資格停止処分を科した。ことし6月にはロシアチームの同五輪不参加を決めるとともに、国外を拠点に活動し、違反がないことを明確に証明できる選手に限っては個人参加を認めた。

 WADAの調査チームが今月18日に公表した報告書では、ロシアの不正が陸上だけでなく夏季と冬季の大半の競技に及んでいたことが判明。WADAはリオ大会からのロシア選手団締め出しを検討するようIOCと国際パラリンピック委員会(IPC)に勧告した。

 IOCは19日の緊急電話理事会で同国の五輪出場可否を協議したが、潔白な選手の権利を侵害する可能性があることから、法的側面を精査するために結論を先送りし、CASの裁定を考慮することとした。(共同)

おすすめテーマ

2016年07月21日のニュース

特集

スポーツのランキング

【楽天】オススメアイテム