錦織“ジョコ超え”はリオで!世界1位に9連敗も“弱点”見えた
2016年08月02日 05:30
テニス
借りはリオで返す!男子シングルス決勝で第3シードの錦織圭(26=日清食品)は、第1シードのノバク・ジョコビッチ(29=セルビア)に3―6、5―7で敗れ、大会初優勝はならなかった。リオ五輪の前哨戦でもある今大会はツアーでも格が高いマスターズ大会。錦織は3度目のマスターズ決勝でまたも初制覇に届かず、ジョコビッチ戦は9連敗となった。6日からはリオ五輪のテニス競技が開幕。4年に1度の特別な舞台で再び“ジョコ超え”に挑む。
高く分厚い王者の壁にまたしてもはじき返された。ジョコビッチの横に並び、悔しさをかみしめながらの表彰式。それでも錦織は相手の勝利を称えつつ、「来週は五輪があります。今週と同じように素晴らしい1週間にしたい」とスピーチして拍手を浴びた。
「この何日か見ていた彼よりも格段に強かった。(今大会のようなハードコートの方が)クレーよりまだまだ遠くに感じる」。今季5度目のジョコビッチ戦。直近2度の対戦はクレーコートで「光は見えた」「もうちょっと」と語っていたが、ハードコートではまた少し勝手が違った。
前へ入って攻める形をつくらせてもらえず、早いタイミングで次々と押し込まれた。「相手のサーブとリターンが良くて、徐々に重圧を感じてしまった」と第1セットはブレークポイントさえ握れなかった。第2セットはリードされてから追いついたものの、勝負どころの5―5で迎えた第11ゲームをキープできなかった。互角のラリーを展開しても、1本の深いショットで劣勢に立たされてミスにつながった。30―15からは痛恨のダブルフォールト。わずかな隙を一気にこじ開けられた。「もう少しミスを減らさないと勝てない。彼と戦う時にはミスが出てしまうが、それが彼の強みだと思う」。凡ミスの数は28本を数えた。
それでも戦い続ける位置までこなければチャンスはやってこない。14年9月からトップ10の位置にとどまり続け、トップ10在位は今週でちょうど100週に到達した。「もう少しレベルアップしないとマスターズ優勝は近いようで遠い」という錦織だが「少しずつ通用するショットや彼の苦手なところも見えてきた」と対戦を積み重ねることでしか見えてこないものも感じている。
大会前は左脇腹の不安もあったが、5試合を戦い抜いて不安を打ち消した。「1週間あるので大丈夫」と五輪に向けてさらにコンディションは上向く。リオ五輪の組み合わせは4日に発表。今大会準決勝のバブリンカ(スイス)戦で、トップ5の選手から約2年ぶりに白星を挙げたのは大きな光明となるはずだ。メダルの期待を背負う日本のエースは一度、フロリダの拠点に戻り、程なくリオ入りする予定。「北京、ロンドンと2度五輪を経験しているので」とその重みを感じつつ、4年に一度の舞台に向かう。
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