松山英樹 メジャーで勝つため必要な最後のピースは「ざっくりポン」!?
2016年08月02日 15:05
ゴルフ
4つのメジャーにはそれぞれに特徴がある。マスターズの会場オーガスタナショナルGCはほとんどラフがなくティーショットの難易度は高くない。ただグリーンは傾斜の強くて速い。だからアイアンの精度、パットのうまさが勝敗を分ける。
全英オープンは海岸沿いのフラットなリンクスコースで行われる。小さくて深いポットバンカーや自然の起伏をいかしたフェアウエーがゴルファーを待ち構える。そして「1日の中に四季がある」と言われるほど、目まぐるしく変わる天候、強烈な風にも耐え抜かなければスコアは作れない。
今年の全米プロの会場バルタスロールGCは過去に全米オープンを開催したこともある。ただ2つの大会ではセッティングが異なる。全米オープンは優勝スコアがイーブンパーになるようにフェアウエーを狭く、ラフを長くして難易度を上げる。全米プロはよりオーソドックスな設定になる。
4つの違ったタイプのコースで上位に入るということは、オールラウンドな能力を備えていることの証だ。ただし勝つためにはやはりパットを決める力が必要になる。全米プロでもパーオン時のパット数は1・831で全体の54位だった。バーディーチャンスを逃したことが最後まで響いた。
松山がメジャーで奮闘した先週、日本では2歳下の時松隆光がツアー外の日本プロマッチプレー選手権で勝ち、2週連続優勝の快挙を成し遂げた。ツアー初優勝を飾った前週のダンロップ・スリクソン福島オープンから引き続きパットが好調だったことが勝因だった。
時松がパットの際に大事にしているのが「ざっくりポン」。ライン読みは時間をかけずに「ざっくり読む」、そして素振りもせずに「ポンと打つ」という意味だ。雑なやり方にも思えるが、時間をかけない分、頭に雑念が入ってこない。そして外した時も気持ちを切り替えやすいという。
丸山茂樹プロは、松山がボールに書かれているラインを、打ち出す方向に合わせて置いていることに疑問を持っている。「合わせたラインが本当に正確に(打ち出す方向に)向いているかどうかも分からない」と指摘する。アマチュアも良くやっているルーティンで一定の効果があるが、感性を失いかねない。機械のように正確に綿密にやれば良いというものではない。それがゴルフの面白いところでもある。
松山は全米プロ最終ラウンドの17番で1メートルほどのバーディーパットを外した。恐らく練習では外すことのない距離だろう。勝負所のパットで重要なのは詰まるところメンタルなのだ。メジャー4大会全てに優勝するという目標を持ち、高い理想を追求する松山は好成績を残し、周囲から高評価されても満足しないし、ミスした自分を責める。だが、それでは苦しくなってしまう。ミスした自分を許したり、大ざっぱにプレーすることがあっても良いのではないか。技術的には世界のトップレベルにある。メジャーで勝つために必要な最後のピースは、そんなところにあるのではないかと思う。 (福永 稔彦)
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