正木 悔しすぎる銅 因縁相手に敗れ連覇ならず「申し訳ない」
2016年09月12日 05:30
柔道
敗者復活戦の畳を下りると、失ったものの大きさが身に染みた。日本の金1号を期待された男が手にしたメダルは欲しい色とは違った。正木はこらえ切れずに涙をこぼした。「悔しさしか考えられない。サポートしてくれた人たちに申し訳ないとしか言えない」と声を震わせた。
準決勝の相手は12年ロンドン大会後に2度続けて敗れ、右膝に大ケガを負わされたツレディバエフ(ウズベキスタン)だった。因縁の相手に「気合は入っていた」が、開始7秒で豪快に畳に叩きつけられ、ぼう然自失だった。
1、2回戦も3位決定戦も豪快に一本勝ちした男が準決勝だけ心に隙が生まれた。試合終了後は「なんで不用意に(試合に)入ったんだろう」「なんで先に技を仕掛けなかったんだろう」と準決勝の後悔ばかりを募らせた。
ロンドン大会後はあん摩マッサージ指圧師の資格試験の勉強で十分な稽古ができなかった。右膝の負傷もあって、体重は一時180キロまで増え、国際大会の優勝からも遠ざかった。今年に入って体づくりからやり直した。嫌いだったランニングを取り入れ、天理大の学生と一緒に朝6時半から走った。体幹も徹底強化。145キロまで絞り、動ける肉体を手に入れた。ただ、一つの大会を勝ちきるだけのタフさを身につけるには時間が足りなかった。
これでは終われない。次回は地元開催だ。「この負けは4年間忘れない。悔しさをばねにして東京大会での優勝を目指して頑張りたい」。金メダルなしに終わったパラ柔道界のエースとして覚悟を示した。
◆正木 健人(まさき・けんと)1987年(昭62)8月9日、兵庫県生まれ。中学で柔道を始め、育英高3年時に総体3位。名門・天理大では団体戦メンバーとなった。生まれつき弱視で、大学4年時に視力が0・03まで下がり、卒業後に視覚障がい者柔道に取り組むようになった。1メートル90、145キロ。
おすすめテーマ
2016年09月12日のニュース
特集
スポーツのランキング
-
松田、涙の引退会見「スッキリ。悔いはない」 今後は普及活動へ
-
パラ五輪 ボッチャは銀メダル以上確定 決勝でタイと対戦
-
全米初Vのバブリンカ ジョコの称賛に感激「あなたのおかげで…」
-
【パラリンピアン支える力】信頼が生む力 代えの利かないサポート役
-
バブリンカ、全米初制覇!ジョコに逆転勝ち 錦織撃破勢いのまま…
-
スポーツを書くということは人間を書くこと
-
松山 通算6アンダーで24位、最終戦進出「崩れたのがもったいない」
-
鈴木愛 子供のころは「日本一練習しない子」…母が明かす
-
柔道女子代表・南條監督退任へ…五輪メダル5個も任期満了で
-
日立・山田は最多タイ39号「世界一の投手から打ててうれしい」
-
上野 今度はリーグ最多1965奪三振も「え?達成したんですか」
-
愛 5差大逆転V!国内メジャー海外勢連勝7ストップ
-
菊地 手応えの6位「この結果は残りのメジャーにもつながると思う」
-
酒井「本当に悔しい」76と崩れ初制覇逃す「運もなかった」
-
工藤監督の長女・工藤遥加 肋骨骨折で棄権「正直とても悲しい」
-
今井月、2冠!リオの雪辱 200個メで大会新、五輪タイム超え
-
星「悔いはない」現役引退も視野 国体で今季のレース終え語る
-
一度は逆転も…日本3連敗 決勝トーナメント進出ならず
-
内田 有終のV「うるっと」 21歳、女子力磨くぞ
-
個人総合は皆川の8位が最高 リオ五輪金のマムンが3連覇
-
ケンブリッジ 年内2試合で100メートル9秒台宣言
-
体操・内村、加藤らが草加市でパレード「凄く感動した」
-
68歳・別所“蝶々対決”完敗 4強の壁高く…東京参加は白紙
-
横綱・鶴竜も休場明け黒星発進 攻め込むも「中途半端だった」
-
鹿沼、タンデム追い抜き6位敗退 15日のロードに「かけます」
-
国枝 史上初パラ3連覇へ盤石発進 圧巻17連続ポイント
-
秦「力を出し切ることはできた」6位「東京へ向けて頑張りたい」
-
パラレル大回転・ソチ銀の竹内 3月じん帯断裂再建手術受けていた
-
坂本花織 自己新で充実の初優勝 GPファイナルへ大きく前進
-
関東大学ラグビー 対抗戦6連覇へ 帝京大が白星発進
-
真凛 フリーでジュニア世界新 SP5位から逆襲、総合2位
-
ボッチャ日本 英国から金星挙げ1時リーグ首位突破
-
正木 悔しすぎる銅 因縁相手に敗れ連覇ならず「申し訳ない」
-
開会式の旗手・上地結衣 圧巻ダブルべーグル!金へ好発進
-
広瀬悠 反則負け「ふがいなかった」夫婦メダル獲得ならず
-
ケルバー 初全米女王!初の世界ランク1位に「信じられない」
-
日馬富士 2場所連続Vへ「集中し直し」大荒れムード一蹴!
-
稀勢の里“やっちゃった”…白鵬不在の綱獲り初日にいきなり土
-
東序ノ口・舛ノ山「初心思い出した」再スタートは白星で
-
千代翔馬「新入幕対決」制す 先代・九重親方に捧げる白星
-
大山 猛追2位 妹分の愛からハッパかけられ「まだまだ頑張る」
-
高梨沙羅 7月の開幕から3連勝!伊藤有希は5位