全米ジュニア4強 綿貫陽介 本田、錦織に学ぶ勝者のメンタル

2016年09月12日 13:30

テニス

全米ジュニア4強 綿貫陽介 本田、錦織に学ぶ勝者のメンタル
全米オープン・ジュニアの男子シングルス準々決勝で、ウズベキスタンの選手と対戦し、リターンする綿貫陽介
 錦織圭がベスト4に入ったテニスの全米オープンで、もう1人ベスト4入りした日本人がいた。ジュニア男子シングルスの部に出場した綿貫陽介(18=フリー)である。
 テニス界では知られた綿貫3兄弟の末っ子。1月にプロ宣言し、サッカー日本代表の本田圭佑の事務所とマネジメント契約を締結。ジュニア世界ランキングは最高2位というホープだ。

 鼻っ柱の強いタイプかと思えば、話を聞いていると意外と冷静というか謙虚な若者だった。「そんなに才能があるわけじゃない。だから1つ1つ積み上げないと」「海外の選手と試合をしていると、自分にはまだ何もないなと思う」「日頃の姿勢からまだまだ足りてない部分がある」

 本田が事務所の先輩となり、会う機会もたびたびあるという。だが、綿貫にとってはその強じんなメンタリティーは驚きでしかないようだ。「ブーイングが自分への応援に聞こえる。もっとやれ、もっとやれ!と思う」という話を聞き、「この人大丈夫かな」と面食らった。大きな目標である錦織にも段違いの精神力を感じてしまう。「A・マリー戦とか、何であれだけ緊迫した場面で自分から強く打てるのか。前向きに攻撃し続けられるのか。ちょっとおかしいですよね」

 18歳以下となるジュニアカテゴリーは今年で卒業。今後は海千山千の猛者が集うプロの世界で、生存競争を勝ち抜いていかなければいけない。同世代の選手はすでに今回のシニアの本戦でプレーしている選手もいて、「置いていかれている感覚が強い」とジュニアの4強にも満足感はない。

 男子ジュニア・ナショナルチームの岩本功コーチが「まだ線が細くてケガが多い」と言うように、1メートル81、63キロの体は見るからに華奢。「サーブとフォアハンドで組み立てられるテニス」という目標を実現するには、心身ともにスケールアップが必要だ。

 現在の世界ランクは686位。「できるだけ早くトップ400、300に入って次のステージを見ていきたい。将来的にはこの全米オープンの舞台に立って、ベスト4、決勝で戦える選手になりたい」。16日から始まるデ杯ワールドグループ・プレーオフのウズベキスタン戦(大阪・靱テニスセンター)にも同行する予定。錦織らトップ選手のプレーや振る舞いに何を見るのか。18歳が学ぶべきことはまだまだ多い。(スポーツ部・雨宮 圭吾)

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