「春日山問題」から考える親方のあり方
2016年10月18日 09:50
相撲
日本相撲協会の定款には、「この法人は、相撲道を師資相伝するため、相撲部屋を運営する者及び他の者のうち、この法人が認める者に、人材育成業務を委託する」とある。簡単に言えば、師匠と部屋付き親方は弟子の育成を協会から任せられているということ。日本相撲協会から支払われる給与(階級が最も低い「年寄」で月額80万8000円)には“人材育成費”も含まれていることになる。
人材育成の方法に関しては、各親方の考えがあるだけに“何が正しい”というものはない。だが、今回の協会の判断により、部屋に足を運ばないのはダメということだけははっきりした。では、人材育成の現状はどうだろうか。必ず稽古場に現れて指導する師匠がいる一方で、部屋付き親方の一部には稽古場にほとんど姿を現さない親方もいると聞く。稽古場以外で指導していると言われればそれまでだが、それすらもしていない親方がいるとすれば、契約違反と言われても仕方ない。
今回は春日山親方のみが調査された格好だが、この機会に協会は全親方がどれくらい人材育成=指導に携わっているのか調べてみてはどうだろうか。「親はなくても子は育つ」と言われるが、親方がいるならしっかりとした指導を受けた方がいいに決まっている。協会が掲げる「土俵の充実」をなし得るには、各親方の取り組み方も大事になってくる。(専門委員)
◆佐藤 博之(さとう・ひろゆき)1967年、秋田県大曲市(現大仙市)生まれ。千葉大卒。相撲、格闘技、サッカー、ゴルフなどを担当。スポーツの取材・生観戦だけでなく、休日は演劇や音楽などのライブを見に行くことを楽しみにしている。
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