2戦目で初勝利 明確になったジョセフHCが目指す攻撃スタイル
2016年11月14日 12:50
ラグビー
キックは大きく陣地を回復できる反面、相手にボールを渡してしまう可能性が高い。ボール保持率を重視したエディー・ジョーンズ前ヘッドコーチの指揮下では、極力蹴らない戦術だった。また、4トライ全てがアンストラクチャー(崩れた状況)でのトライであり、相手陣の22メートルラインの外側から一気にインゴールを陥れている。パスをつなぐ場面でも外へ大きく運べる陣形を取っており、スピード感たっぷりだった。ジョセフ・ヘッドコーチが標ぼうする「速いラグビー」の一端を見せられたのではないかと思う。
もちろん、手放しで勝利を喜ぶつもりはない。相手はパワープレー一辺倒の戦術を信条とするチームであり、ボールを大きく散らせばある程度は日本のアタックが通用することは明らかだった。逆に先発FW8人の総重量で約90キロ上回れていたスクラム、相手の4~8番の5人が身長1メートル90台をそろえて手ぐすね引いていたラインアウトでは完敗と言えた。5日のアルゼンチン戦で崩壊状態だったディフェンスにしても、近場ばかりを突っ込む相手だけに的は絞りやすかった。結果が全てのW杯であればこれでいいのだろうが、今回はテストマッチとはいえ内容も吟味されるべき試合。多くの課題も浮かび上がり、今後にどう克服していくかも注目すべき点だ。
他に気になったのは、8人のリザーブでフッカーの日野だけ出場機会がなかった点か。先発は共同主将の1人である堀江。4トライは全てバックスの選手が奪ったが、後半19分のレメキのトライ、同23分のWTB福岡の決勝トライへとつながる展開では、いずれも堀江が絡んでいた。得意とするノールックパスをおとりランナーの裏へ通して相手ディフェンスの虚を突いている。堀江が長年、日本代表の2番を背負い続けられる理由でもあるプレーだったが、裏を返せば代わりとなる選手がいないとも言える。ラインアウトにしても、1メートル98のアニセが後半開始から投入され、安定感を取り戻していた。ポジションによっては戦力の増強が急務であることが浮き彫りになったように思う。
日本代表の次戦は19日のウェールズ戦。日本がジョージアに勝利した数時間後、5日に完敗したアルゼンチンを24―20で下した強豪だ。その相手にどこまで通用するか。しっかりと吟味したい。(記者コラム・阿部 令)
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