エリミユ4強!全豪初の日本人ペア快進撃“格上”相手に堂々作戦勝ち

2017年01月25日 05:30

テニス

エリミユ4強!全豪初の日本人ペア快進撃“格上”相手に堂々作戦勝ち
女子ダブルスでベスト4進出を決めた穂積(手前)、加藤組 Photo By 共同
 【全豪オープンテニス第9日 ( 2017年1月24日    オーストラリア・メルボルン )】 “エリミユ”の進撃が止まらない。女子ダブルス準々決勝で穂積絵莉(22=橋本総業)加藤未唯(22=佐川印刷)組が、ミリヤナ・ルチッチバロニ(34=クロアチア)アンドレア・ペトコビッチ(29=ドイツ)組に6―3、6―3で勝利。日本人同士のペアでは全豪初、4大大会では02年全仏4強の杉山愛、藤原里華組以来のベスト4進出を決めた。25日の準決勝では4大大会3勝を誇る第2シードのベサニー・マテックサンズ(31=米国)ルーシー・サファロバ(29=チェコ)の強豪ペアに挑む。
 穂積が踏み込んで深くリターンを返し、加藤がすかさず飛び出してボレーで沈めた。互いの長所が出た形で決めたマッチポイント。さんさんと光る笑顔を浮かべて、2人は抱き合い喜んだ。

 穂積「自分でもびっくり。相手はノーシードだからチャンスはあると思っていた」

 加藤「前で動いて取っていくプレーを貫けてうれしい。ベスト4の結果もうれしい」

 メルボルン・パークには縁がある。2人が初めて知り合ったのは、この会場での7年前の全豪ジュニアだった。ダブルスで初めてペアを組み、その年は初戦で敗れたが、翌年には準優勝。有望選手の多い94年組のライバルとして競い合い、機会があればペアを組んで、昨年4月のカトウィツェ・オープンでは2人でツアー初優勝を飾った。

 ロッカールームで毎日同じトイレ、洗面台を使って験担ぎする生真面目な穂積に対し、「私は特にない」とおおらかな加藤。WOWOWの解説者として現地を訪れている杉山愛さん(41)が「2人の違う特長が相乗効果を生んでいる。絵莉のしっかりしたストローク、未唯の動物的な動き。見ていても楽しいペア」と評価したように、性格だけでなくプレーでも持ち味は異なっている。

 加藤が前、穂積が後ろが得意な形。第2セットの第5ゲーム、加藤がリターンする最初のポイントでは、その特長を生かす作戦も見せた。2人そろってベースラインで構える2バックの陣形を取ると、加藤がロブショットとともに一気に前へ。穂積とポジションを変えて自分たちの形に持ち込み、相手のミスを誘って、このゲームでのブレークにつなげた。

 ルチッチバロニはシングルスで8強に残っており、ペトコビッチもシングルス56位と格上だが、ダブルスは単純な足し算ではない。同部屋に泊まっていた以前の遠征では夜遅くまではしゃぎ過ぎることもあったが、今は別部屋。どちらかの部屋で話したり、踊ったりしていても、時間が来れば自分の部屋に戻る。あうんのコンビネーションは良い形で磨かれてきた。

 準決勝はチームワークも抜群の強豪ペア。しかし3回戦で第4シードを破っているだけに気後れはない。

 穂積「名前負けせずに次も勝ちにいきたい」

 加藤「チャレンジャーとして気持ちを引かず、楽しんで戦いたい」

 これまで3回戦が最高だった4大大会で一気に躍進。エリミユの挑戦はまだ終わらない。

 ≪外国人とペアではV4度≫4大大会女子ダブルスでの日本女子4強入りは今回で25度目となった。初めて4強入りしたのは75年全仏オープンでフランス人選手と組んだ沢松和子。直近では14年全米オープンで伊達公子がストリコバ(チェコ)とのペアで準決勝まで進んだ。優勝となると4度しかなく、75年ウィンブルドン沢松和子と00年全米など3度優勝している杉山愛だけ。

 ◆穂積 絵莉(ほづみ・えり)1994年(平6)2月17日生まれ、神奈川県平塚市出身の22歳。茨城・鹿島学園高、パームインターナショナルテニスアカデミー出身。8歳でテニスを始め、12年にプロ転向し、13年全日本シングルス優勝。昨年4月には加藤とのペアでツアー初優勝を飾った。4大大会初出場はダブルスが昨年の全仏、シングルスは今大会で予選を勝ち上がった。世界ランクはダブルス51位、シングルス214位。1メートル68、60キロ。

 ◆加藤 未唯(かとう・みゆ)1994年(平6)11月21日生まれ、京都市出身の22歳。京都・立命館宇治高、パブリックテニス宝ケ池出身。8歳からテニスを始め、13年にプロ転向。昨年4月のカトウィツェ・オープンで穂積とツアー初優勝。全仏で奈良くるみと組んで4大大会ダブルス初出場を果たした。世界ランクはダブルス54位、シングルス186位。1メートル56、51キロ。

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