18歳・飯田「NEW INOUE」 康生ばり内股でGS初制覇
2017年02月14日 05:30
柔道
「(会場の雰囲気は)気にせず集中できた。映像を見て自分の力を出せばいけると思っていた。結構きつい一日だったけど楽しめた」
国際柔道連盟(IJF)の公式サイトは、内股を中心とした攻撃で頂点に立った飯田を「NEW INOUE」と評した。2000年のシドニー五輪100キロ級。美しい内股で頂点に立ったのが現男子日本代表の井上康生監督だ。指揮官は「王道な柔道で、日本の柔道を体現できるスター性を持った選手」とベタ褒めした。
GSデビューとなった昨年12月の東京大会は3位。当時も内股で攻撃を組み立てたが、単調な投げ方では世界の舞台で通用しなかった。国士舘高の岩渕公一監督からは「同じ内股でも3パターンくらいに増やせ」と指導され、技を仕掛ける際のバリエーションを増やした。
マレから技ありを奪った場面では、相手との間を詰めずにいきなり右脚を差し込んで投げ飛ばした。相手の不意を突いたこの「ノーステップ」の内股こそ、井上監督がシドニーの決勝でギル(カナダ)から一本を奪った内股そのもの。GS東京後は筋力トレーニングにも注力し、体重は当時の94キロから99キロに増量。筋力アップした上半身が、この技を可能にした。
「勢いに乗って世界選手権に行きたい」。今年の大会は20年東京五輪への第一歩。怖いもの知らずの18歳が、リオ五輪銅の羽賀龍之介(旭化成)、ウルフ・アロン(東海大)との代表争いに挑む。
▼飯田 健太郎(いいだ・けんたろう)1998年(平10)5月4日、神奈川県綾瀬市生まれの18歳。父親の影響を受け、6歳の時に柔道を始める。小学校時代は野球、サッカーも並行してプレーしていたものの、大野北中から柔道に専念。3年時に全国中学校柔道大会の81キロ級で準優勝。国士舘高へ進み、2年のインターハイ個人戦100キロ級で優勝。同年の全日本ジュニアも制した。得意技は内股。1メートル88。