舞依 日本人4人目200点越え逆転V!病乗り越え「夢のよう」
2017年02月19日 05:30
フィギュアスケート
完璧だった。最初にルッツ―トーループの2連続3回転ジャンプをきれいに降りると、「シンデレラ」の曲に乗って全7つのジャンプを次々と決めた。三原の強みは中野園子コーチが「ストレスフリー。スー、ポンッと上がる。だから体力がなくても跳べる」と表現する安定感あるジャンプ。その武器を生かして、自己ベストをフリーで8・42点、合計で9・93点更新。合計200点超えは日本では宮原知子、浅田真央、安藤美姫に次ぐ4人目。四大陸選手権での初出場、初優勝は日本人女子では08年の浅田真央以来の快挙だ。
「ここで五輪が開催されるんだな、と思って滑ることができました。SPとフリー両方ノーミスで笑顔で終わる目標を達成できてよかった」
病を乗り越えての頂点だ。15年12月に肩や膝など全身の関節が痛む原因不明の「若年性特発性関節炎」を発症。車いす生活を送った時期もある。普段は練習開始前の営業時間中にも一般のお客さんと一緒に1時間も滑るほどスケート好き。4カ月以上あったスケートができない苦しい時間が「スケートをする楽しい気持ちを表現しよう」と前向きにさせた。現在も1カ月に1度は通院し、2時間の点滴のほか大量の血液を抜くという。薬も定期的に飲んで苦労は絶えないが、努力がシニア1年目で花開いた。
三原の優勝は、日本にとっても大きな意味を持つ。エース宮原知子が左股関節疲労骨折で今大会を欠場。五輪の3枠死守が懸かる3月の世界選手権にも不安を残す中、救世主となれる力を示した。三原は「ロシアやトップの選手に近づくためにはスケーティングや表現を磨かないといけない」と課題を自覚する一方で、「来年この場所に戻ってこられる選手になりたい」と胸を張って次なる目標を掲げた。
中野コーチがフリーに「シンデレラ」を選曲したのは「復帰のシーズンをハッピーエンドで終われるように」との思いを込めて。五輪プレ大会での優勝はシンデレラ物語の序章にすぎない。
◆三原 舞依(みはら・まい)1999年(平11)8月22日、兵庫県神戸市生まれ。芦屋高2年の17歳。8歳でフィギュアを始める。16年ネーベルホルン杯優勝。今季のGPシリーズはスケートアメリカ3位、中国杯4位。アクセルを除く5種類の3回転が跳べるなどジャンプが得意。1メートル54。
▽四大陸選手権 1999年に創設。国際スケート連盟主催。毎年1月か2月に開催され、米、オセアニア、アジア、アフリカの4大陸の選手によって争われる。日本は過去に、男子シングルで6度優勝。女子シングルでは前回大会の宮原、今大会の三原と日本勢が2大会連続で優勝。強豪国のロシアは欧州に含まれるために参加しない。
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