開幕戦2位の川岸史果 両親から受け継いだパワーと技術に心が追いついた

2017年03月11日 11:00

ゴルフ

開幕戦2位の川岸史果 両親から受け継いだパワーと技術に心が追いついた
優勝したアン・ソンジュと健闘を称え合う川岸 Photo By スポニチ
 女子ゴルフの開幕戦ダイキン・オーキッド・レディースで、昨夏プロテストに合格したばかりの川岸史果(22=加賀電子)が優勝したアン・ソンジュ(韓国)と最後まで競り合い、ツアー自己最高の2位に入った。
 両親ともプロゴルファー。父は男子ツアー通算6勝で「怪物」と呼ばれた川岸良兼(50)。母は日本女子アマ選手権で優勝経験のある喜多麻子(50)。10歳でゴルフを始めた当初から240〜250ヤード飛んでいたというから、もともと才能には恵まれていた。

 横浜英和中3年時に全国中学校選手権、神奈川・日大高2年時に全国高校選手権で優勝した。ツアー初出場は中学3年生だった09年NEC軽井沢72。予選を通過して16位と健闘した。順風満帆なゴルフ人生だった。

 日大高で3年間同じクラスだった松森彩夏によると「高校の時から飛んでいた。20ヤードくらい置いて行かれた。ショット(の精度)も素晴らしかった。ゴルフに対する姿勢もまじめだった」という。普段の生活でも優等生。松森は「授業中もきちんとノートを取るタイプ。居眠りなんてしなかった」と振り返る。

 すぐにプロでも活躍するものと思われていたが、高校卒業以降は挫折の連続。プロテストに3回も落ちた。母・麻子は「3度目のプロテストはコースが狭くて曲げたくないという気持ちが強すぎでドライバーイップスになった」と証言する。

 最大の武器が弱点になった。川岸はオーバースイング気味のスイングを修正。トップをコンパクトにして、シャフトも軽いものに変えて曲がらないドライバーショットを手に入れた。そして昨夏のプロテストに“4度目の正直”で合格した。

 昨年12月に右足首を手術し2月中旬にラウンドを再開したばかり。開幕戦は“慣らし運転”のつもりだった。それでも元賞金女王アン・ソンジュと互角に渡り合った。

 要因として母は「セルフコントロールできるようになったのが大きい」とメンタル面の成長を挙げた。松森も「高校時代はシャイだったけど、プロになって明るくなった」と語る。両親から受け継いだパワーと技術にようやく心が追いついたということだろう。

 ツアー初優勝には1打届かなかったが、川岸は「飛距離とセカンド(第2打)は自信になった。最終日最終組で回って大きな経験になった」と収穫を口にした。

 良兼がツアーで初優勝したのはプロ入り翌年の90年静岡オープン。23歳だった。父よりも若い年齢で初優勝する可能性は十分にある。そのポテンシャルはしっかりと示した。(記者コラム・福永 稔彦)

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