女子マラソンの新星、安藤友香に必要なのは休養 無理は絶対に禁物
2017年03月15日 10:30
陸上
これまで五輪や世界選手権を狙う有力選手は、名古屋よりも1月の大阪国際か前年11月の東京国際に出場するのが通例だった。以前の名古屋のコースは風が強くて記録が出にくいということもあったが、3月の名古屋だと8月の五輪、世界選手権まで5カ月しかなく、万全の状態に仕上げるのが難しいからだ。
実際に、07年優勝の橋本康子は大阪世界陸上で23位。08年優勝の中村友梨香は北京五輪で13位、09年優勝の藤永佳子はベルリン世界陸上で14位、12年2位の尾崎好美はロンドン五輪で19位、13年優勝の木崎良子はモスクワ世界陸上で4位、15年2位の前田彩里は北京世界陸上で13位、16年2位の田中智美はリオ五輪で19位とあまりいい結果に結びついていない。唯一の例外は00年の高橋尚子で、名古屋の後にシドニー五輪で金メダルを獲得している。ただし、この時は南半球のためにレースは1カ月遅れの9月だった。
初マラソン後の今は、安藤にとって今後の競技人生を左右する一番大事な時期だ。これからやるべきことはまず疲れを完全に取ること。絶対に見切り発車をしてはいけない。わずか5カ月で調整が間に合いそうになければ、思い切って回避する勇気も必要だ。「今から縁起でもない」と言われそうだが、やっと出てきた世界レベルの逸材だからこそ、大事に育ててほしいと願わずにはいられない。(編集委員)
◆藤山 健二(ふじやま・けんじ)1960年、埼玉県生まれ。早大卒。スポーツ記者歴34年。五輪取材は夏冬合わせて7度、世界陸上やゴルフのマスターズ、全英オープンなど、ほとんどの競技を網羅。ミステリー大好きで、趣味が高じて「富士山の身代金」(95年刊)など自分で執筆も。
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