稀勢、夏場所へ「問題ない」昇進披露宴前に関取衆との稽古敢行

2017年05月07日 05:30

相撲

稀勢、夏場所へ「問題ない」昇進披露宴前に関取衆との稽古敢行
北斗の拳のラオウが描かれた化粧まわしとともに写真におさまる稀勢の里 Photo By スポニチ
 1月の初場所後に第72代横綱となった稀勢の里の横綱昇進披露宴が6日、都内のホテルで開かれ、八角理事長(元横綱・北勝海)ら約1500人が出席した。3月の春場所で左上腕付近を負傷した稀勢の里は披露宴に出席する前に、東京都墨田区の九重部屋への出稽古を敢行。幕内・千代大龍、十両・千代皇を相手に16番、負傷後初めて関取衆と相撲を取った。3連覇が懸かる夏場所(14日初日、両国国技館)への出場に向けて、手応えをつかんだ。
 1500人もの来場者の前であいさつした稀勢の里は、誓いを新たにした。「横綱の名を汚さぬよう、精進、努力します。あと1週間で夏場所が始まります。また、皆さんにいい報告ができるように、一生懸命頑張ります」。横綱昇進伝達式での口上を述べるとともに、夏場所への出場に自信をのぞかせた。

 自信の裏付けがあった。1日の番付発表後は東京都江戸川区の田子ノ浦部屋で三段目力士と非公開で稽古を続けてきたが、この日は部屋の稽古が休みとあって、九重部屋に出向いて初めて関取との稽古を行った。まずは十両・千代皇と8番取って全勝。幕内・千代大龍には8番で6勝2敗。稀勢の里は「(九重部屋は)関取衆がたくさんいるので、1人でも多くやりたかった。2人しかやれなかったけど内容はよかった」と説明した。

 さらに「今日の稽古の状態なら(出場は)問題ない。これから上位のお相撲さんとやる。そこでしっかり状態を見て、いい稽古をしていきたい」と青写真を口にした。8、9日の二所ノ関一門連合稽古、大関獲りに挑む弟弟子の関脇・高安との稽古などで、もう一段、ギアを上げる考えだ。

 大関昇進披露宴は12年2月にこの日と同じ会場で行った。「久しぶりを超えて、(どういうことをやったか)忘れちゃった部分もある」。そう振り返りながらも、鏡抜きでは4横綱が同じたるに勢ぞろいするという過去になかったプランを自ら提案し、横綱・白鵬を驚かせた。

 横綱昇進関連の行事はこれで一段落。土俵に上がれば結果を出すしかない。「万全で15日間をやり通すのが一番。そして優勝争いに絡んでいくこと」。横綱の責任を果たすため、残り1週間、懸命に状態を上げていく。

【稀勢の里負傷の経過】

 ▼3月24日 春場所13日目の日馬富士戦で左上腕部を負傷し、14日目は鶴竜に敗北。

 ▼同26日 千秋楽は痛みをこらえて本割、決定戦で照ノ富士を下し、2場所連続優勝を飾る。

 ▼同29日 左上腕部の筋損傷で加療1カ月と診断され、春巡業の出場が微妙な状況に。

 ▼4月3日 日本相撲協会が稀勢の里の診断書を公表。新たに左大胸筋損傷が判明。

 ▼同27日 非公開で綱打ちを行う。

 ▼5月1日 新番付が発表されて初めて東の正位に就く。

 ▼同2日 非公開で稽古を再開。若い衆を相手に相撲を取る。

 ▼同3日 横審による稽古総見を欠席し、田子ノ浦部屋で連日の調整。

 ▼同6日 出稽古で関取衆との稽古を解禁。

おすすめテーマ

2017年05月07日のニュース

特集

スポーツのランキング

【楽天】オススメアイテム