1人で2つの永久欠番を作った男 レイカーズのブライアント氏に今、思うこと
2017年12月22日 09:35
バスケット
18歳でNBAデビューを果たした同氏はまず8番で通算1万6777得点、その後は24番で通算1万6866得点をマークしている。ファイナル制覇5回、そのうち2回でMVP、球宴選出18回、得点王は2回…。しかも、レイカーズ一筋20シーズンという経歴。引退すれば永久欠番になるのは当たり前だったが、2つの背番号があったためにレイカーズがどちらを選ぶのかが注目されていた。
そして、セレモニーでアリーナに掲げられたユニホームは2着。つまり、球団側はどちらも永久欠番にしてしまったのだ。
マイケル・ジョーダン氏(現ホーネッツ・オーナー)も最初の引退を撤回して復帰したときには一時的に45番をつけていたが、ブルズで永久欠番になったのは皆さんご存じの23番だけ。しかし、ブライアント氏には“特例”が認められた。
レイカーズで永久欠番になった選手は10人目。名物アナウンサーだったチック・ハーン氏(2002年に85歳で死去)が1番を永久欠番にしているので、これで併せて12個の数字が現役選手のユニホームには使えなくなった。
ちょっと計算してみよう。レイカーズのリーグ加盟は1948年。NBA70シーズン目で0から99までの100個の数字の中で12個が消えてしまった。残っているのは88個。しかし、このペースで行くと?513年後のレイカーズの選手は確実に3ケタの数字を背負うことになる。
大リーグ・ヤンキースの永久欠番は2選手がつけた8番を含め計21個。一ケタは0を除いて全部、使えなくなっている。名選手ほど背番号にこだわりがあるようで、この傾向は今後も続いていくことだろう。
ただし、数には限りがある。誰かが譲らないと背番号3ケタ時代が現実味を帯びてくる。今のところ、誰もはるか彼方の未来を心配していないが、永久欠番にも著作権同様の保護期間消滅による“自由化”が必要になるかもしれない。
「8番は24番には絶対にないものを持っている。8番を身につけていた時には髪の毛がちゃんと伸びる力があったんだ」。“格差”を語ってファンを笑わせたブライアント氏は8番で若き日々を過ごし、24番であらゆるものを手にしていった気がする。2016年4月13日のジャズ戦。現役最後の試合で60得点をたたき出して散っていったあの姿は衝撃的だった。ジョーダン同様、時代を築いた素晴らしい選手だった。
なので、ひとつだけお願いしたい。あなたが言い出さないと、この問題はひとつも前には進まないのだ。今、2つの永久欠番に酔いしれてもらうことには何の異議も唱えない。ただ、老いて人生を振り返る日が来た時、その権利を放棄する決断をしてほしい。もちろん、その背番号を再び身につける選手にとっては多大なプレッシャーだろうが、この問題には「無限」という言葉は存在しない。
513年後にレイカーズに入団する選手諸君。私はブライアント氏を信じている。君たちの姿を見られないのは残念だが、勇気を持って8番、もしくは24番を身につけてもらいたい。私は自分の背番号には無頓着だったが、君たちに成り代わってレイカーズのことを真面目に?心配している。そして、20世紀後半から21世紀初頭を席巻したスター選手のようになれることを心から願っている。(専門委員)
◆高柳 昌弥(たかやなぎ・まさや)1958年、北九州市小倉北区出身。上智大卒。ゴルフ、プロ野球、五輪、NFL、NBAなどを担当。スーパーボウルや、マイケル・ジョーダン全盛時のNBAファイナルなどを取材。50歳以上のシニア・バスケの全国大会に6年連続で出場。
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