ブドウ踏み3時間…栃ノ心 家業の手伝いと多様な格闘技で鍛えた怪力
2018年05月29日 11:00
相撲
後の栃ノ心、レバニ少年は強かった。理由があった。父のザザさんはワイン醸造を営み、ブドウ農園もあった。収穫作業が重労働。ブドウを足で踏む搾汁作業は、さらに過酷だった。「足がパンパンになった。3時間、踏み続ける。いいトレーニングになった」
強じんな足腰で、大会に出ては好成績を収めた。優勝者には生きた羊などが与えられ、栃ノ心も計8頭もらった。「持ち帰ってさばいて食べた」。こうして格闘技の面白さを知り、他競技でも頭角を現した。
柔道では欧州ジュニア王者に輝き、サンボでも23歳以下の欧州選手権で優勝。特に柔道は井上康生に憧れ、のめりこんだ。「トレーニングが好きだった。ロープ昇りはきつかったけどね」。引きつける上半身のパワーが、身についていった。
そして、力士がほとんどいなかったジョージアで04年世界ジュニア相撲選手権の代表に選ばれた。ジョージア出身で初の関取、黒海が活躍中で相撲の存在は知っていたが、まわしを締めたのは、このときが初めて。16歳だった。(特別取材班)
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