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野口 貫禄の金、“プレ東京五輪”で初代女王「自信になった」

2018年06月25日 05:30

スポーツ

野口 貫禄の金、“プレ東京五輪”で初代女王「自信になった」
ボルダリングで完登し、ガッツポーズする野口 Photo By 共同
 【スポーツクライミング複合ジャパンカップ最終日 ( 2018年6月24日    岩手県営運動公園ほか )】 スピード(S)、ボルダリング(B)、リード(L)の複合で実施される20年東京五輪を見据えて新設された大会で、野口啓代(29=TEAM au)が初代女王に輝いた。3種目の順位を掛け合わせ、ポイントが小さい選手が上位となり野口はS3位、B1位、L2位の6点で優勝し、伊藤ふたば(16=同)が9点(S1位、B3位、L3位)で2位。男子は楢崎智亜(22=同)がS1位、B4位、L1位の4点で制した。
 スピード、ボルダリングを終えた野口は、最終種目のリードでかつてない疲労を感じていた。「体の軸が抜けちゃう感じ。やばいな、やばいな、の連続だった」。何とか高度を稼ぐと、最後に競技した伊藤が野口に1手及ばず、20年東京五輪の試合形式と同じ複合で初代女王に。「凄くうれしい。今回の結果は自信になった」と笑みを浮かべた。

 初めて複合の大会に出場。23日の予選後、男子の応援をせずに午後3時にはホテルに戻って仮眠した。一度起きて食事、入浴、ストレッチを済ませると、また眠った。「普段はこんなに寝ない。複合仕様です」と言う10時間以上の睡眠で回復に努め、この日は1種目目のスピードで、予選を上回る3位に入って波に乗った。

 3種目の順位を掛け合わせ、ポイントの小さい選手が上位になる。ボルダリングは今季W杯3勝など最も得意な種目。「絶対に1位を獲らないと。狙いにいった」。ただ一人、4課題を全て完登し、伊藤と3点で並んで最後のリードへ。「優勝できる位置につけるかどうかで、やる気が変わる。優勝が懸かっていたから頑張れた」と充実の汗を拭った。

 課題は自己ベスト11秒61が日本勢で4番手のスピードだ。国内に専用壁が少なく、練習機会は月に1回程度。「もっと練習を増やさないと。9秒台に近いタイムを持っていないと自信を持って出られない」。8月のアジア大会(インドネシア)、9月の世界選手権(オーストリア)でも複合に出場。最強クライマーを目指して、29歳が加速する。

 ≪安井コーチ賛辞≫日本代表の安井ヘッドコーチは、野口について「最後の最後までパフォーマンスが落ちなかった」と評価し、楢崎智には「粘りが素晴らしかった」と賛辞を贈った。東京五輪に向けて男女ともにスピードの強化の必要性を感じており、25日も五輪強化選手は盛岡に残ってスピードの練習を行う。選手のスケジュールにもよるが、今後も週1回程度の合同トレーニングを行う予定だ。

 ▼東京五輪のスポーツクライミング 五輪で初めて実施され、男女各20人が出場する。壁を登った速さを競うスピード、クリアした課題の数で争うボルダリング、登った高さで競うリードの順に競技を行う複合で、3種目の順位を掛け合わせ、ポイントが小さい選手が上位になる。国別の出場枠は男女とも最大2。日本代表の選考方法はまだ決まっていない。

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