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湯上 男子円盤投げ日本新3連発!先天性難聴“明鏡止水”投てき

2018年06月25日 05:30

陸上

湯上 男子円盤投げ日本新3連発!先天性難聴“明鏡止水”投てき
62メートル16で優勝した湯上 Photo By 共同
 【陸上日本選手権最終日 ( 2018年6月24日    山口・維新みらいふスタジアム )】 今夏のジャカルタ・アジア大会代表選考会を兼ねて行われ、男子円盤投げは湯上剛輝(25=トヨタ自動車)が62メートル16の日本新記録で初制覇した。同110メートル障害は金井大旺(22=福井県スポ協)が14年ぶりに日本記録を塗り替えてV。同200メートルは飯塚翔太(27=ミズノ)が優勝し、桐生祥秀(22=日本生命)は4位でアジア大会の個人種目での出場を逃した。代表は25日の日本陸連理事会を経て発表される。
 圧巻の日本記録3連発で初優勝を飾った。1投目から自己ベストをマーク。3投目で日本新を叩き出すと、4投、5投と日本記録を連続更新した。「6投目は狙いすぎてファウルでした」と照れ笑い。笑顔が魅力の“円盤王子”が東京五輪へ名乗りを上げた。

 先天性の難聴を抱える。補聴器などで日常生活に支障はないが、競技中は取り外すため、静寂の中で戦いを続けている。無音の世界で投てきを続ける姿は、まさに明鏡止水の心境か。「場内アナウンスは聞こえません。でも、おっ!盛り上がっているなというのは分かります」。自分の試技で沸く会場の雰囲気を確認し、ガッツポーズで喜びを爆発させた。

 ほれぼれする強じんなフィジカルは、所属先のトヨタ自動車ラグビー部のトレーナーに鍛え方を教わり、体幹を徹底的にいじめ抜いた産物だ。「円盤投げは頑張れば頑張るだけ記録が伸びるのが魅力。アジア大会ではメダルを狙いたい」。20年東京五輪のホープが挑むのは、まずは今夏のアジア制覇となる。

 ◆湯上 剛輝(ゆがみ・まさてる) 1993年(平5)4月14日生まれ、滋賀県甲賀市出身の25歳。小学校時代は水泳、中学から陸上を始める。守山高から円盤投げに特化し、中京大を経てトヨタ自動車。聴覚障がい者の世界大会、デフリンピック17年トルコ大会の男子円盤投げで銀メダル。趣味は読書、釣り。1メートル83、107キロ。

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