張本「最高としか言いようがない」ぶれない体と心で史上最年少V
2018年12月17日 05:30
卓球
「いやぁ、もう、最高としか言いようがない。ホッとした。この先、中国のトップ選手に勝ち続けるためにも大きな1勝と思う」
第1ゲームを先取しながら、第2ゲームをジュースの末に落とした。流れが相手に傾きかけたが第3、4ゲームを奪うと絶叫。第5ゲームは7―9から一気に4連続得点で勝負を決めた。「こんなに興奮するのは初めて」と表彰式後の取材エリアでも、呼吸は荒かった。中国勢の出場がなかった10、14年大会の水谷以来の優勝で賞金10万ドル(約1130万円)もゲット。「自分が19、20歳になるまでは全部貯金」と笑った。
今年から本格的に筋力トレーニングに着手。5月に日本男子の倉嶋監督に腕相撲で完敗したが、1カ月後には3連勝を飾った。夏場にはベンチプレスも始め、最初は20キロが限界だったが、今は40キロを持ち上げる。片足ずつのスクワットも続けており、張本は「ぶれる幅が減った」と口にした。筋肉量が増えたことで、体重は1月から3キロ増えて65キロに。「間違いなく気持ちが成長した」とぶれないメンタルも、同時に手に入れた。
4月に世界1位の樊振東(ハンシントウ)を破り、6月には16年リオ五輪金メダルの馬龍(マリュウ)、12年ロンドン五輪金メダルの張継科(チョウケイカ)も撃破。今年の中国勢との対戦は8勝6敗と勝ち越した。20年1月の世界ランクで決まる東京五輪の代表争いは19年に始まるが、張本にとって目標は出場ではなく日本初となる五輪の頂。「実力を増していけば、東京五輪で金メダルを獲る可能性も、もっと増える」。思い描く黄金の未来へ、15歳の進撃は止まらない。
◆張本 智和(はりもと・ともかず)2003年(平15)6月27日生まれ、宮城県仙台市出身の15歳。父・宇さんがコーチ、母・凌さんは95年世界選手権の中国代表。小学3年の妹・美和も強豪選手で、14年春に父、妹とともに国籍を中国から日本に。2歳でラケットを握り、16年世界ジュニア選手権優勝など国内外で最年少記録更新。12月の世界ランキング5位。1メートル75。
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