稀勢、必死稽古も横審「不安」 八角理事長「スタミナ不足。軽い」
2019年01月08日 05:30
相撲
得意の右上手は引けなかった。鶴竜に下から攻められると上体が起きて腰高になった。2番目の時点で息遣いは荒くなっていた。鶴竜に1勝3敗で、豪栄道に2勝。万全とは言えない内容にも「攻めていたと思う。(秋場所前の稽古総見があった)9月より動きはいい。いい稽古になった。自信になったと思う」とプラスに捉えた。
九州場所は初日から4連敗し、右膝負傷で5日目から休場した。場所後の横審では奮起を促す「激励」が初めて決議された。横審の北村正任委員長(毎日新聞社名誉顧問)は「気力は感じた。体は戻っているように見える」と「心」「体」を評価した上で「あとは相撲勘というか、そういうものを早く取り戻してほしい。一生懸命なのは分かるが、少し不安が残るということ」と「技」に注文をつけた。八角理事長(元横綱・北勝海)は「復活の途中かなという感じ。やろうとしていることは分かるが、まだスタミナ不足。立ち合いが軽い」と指摘した。
8場所連続休場から進退を懸けて臨んだ昨年秋場所は10勝を挙げた。その場所前の稽古総見は4勝4敗だった。今回の五分を再び復活につなげられるか。「前へ前へ攻める意識を持っていきたい」。亥(い)年は猛進を心がけていく。
≪白鵬、貫禄の全勝≫ 横綱・白鵬(33=宮城野部屋)は若手を相手に貫禄を見せつけた。四股で十分に体を温めると、まずは小結・御嶽海(26)と3番取り、続いて新関脇・貴景勝(22)を指名して5番。昨年優勝している実力者と対峙(たいじ)しても、鋭い踏み込みからまわしを取る危なげない内容で全勝だった。息も上がらず「それなりの感じはつかめた。番数は少なかったが内容は良かった。若手を指名?勢いをもらわないといけないしね」と充実の汗を流した。
昨年10月に右膝などを手術して九州場所を全休。「(術後)11月に比べたら本当にいい状態」とケガからの回復も順調だ。臨戦態勢に入る中、初場所へ「これから上げていきたい」と気持ちを引き締めた。
≪貴景勝「だいぶいい」≫ 新関脇・貴景勝は白鵬、竜電、輝と合計7番で汗を流した。番付発表以降、初めて部屋以外の力士と相撲を取ったが、「どの相手にもまわしを取られないように」と課題を持って土俵に入った。白鵬には持ち前の馬力を見せつけることはできなかったが、「体はつくれてきている。いい感じだと思います。相撲勘はだいぶいい」と強調。大関を狙う本場所を見据え、「もう少し体を膨らませて瞬発力とパワーが出る状態にしたい」と話した。
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