逆転の紀平!!ガッツ初V 試練乗り越え国際大会無傷の5戦5勝
2019年02月10日 05:30
フィギュアスケート
「絶対にミスが許されないと思っていたので。全部(ジャンプで)立ったので、全部立ったんだと思い出して、素直に喜べました」。SPで代名詞のトリプルアクセルの失敗が響き5位と出遅れた。5日の練習中にジャンプで転倒し、左手薬指第2関節を亜脱臼。テーピングで固定したために、「指を伸ばしていることで空気抵抗が大きくなって」、跳ぶ感覚が狂った。
フリーは「もっと速く」と回転を意識した。最初に前日に失敗した大技に挑み、成功。加点も多く引き出した。通常なら次はトリプルアクセルからの連続3回転だが、ダブルアクセルに落とした。
「トリプル2本は難しいと感じた。無理をすることなく、安全に成績が残せるように、1本にしようと」
冷静な判断でリズムに乗り、ノーミス。演技構成を落としながら7本全てのジャンプでプラスの評価を得て、自己記録にあと1・58点に迫る153・14点を叩きだした。
1月16日から27日まで、米国コロラド州で強化合宿を張った。シーズン中初の試みは、分刻みのスケジュールで動くスケート漬けの日々。栄養にもこだわり、毎日、無農薬野菜のサラダを食べた。ジャンプも跳んだ。3月の世界選手権(さいたま市)まで使う予定だった新しいスケート靴を履きつぶすほど、跳んだ。トリプルアクセルを踏み切る側の左足だけが傷んだ。
帰国後、「3日間、足が動かなかった」という猛練習が、今大会のアクシデントを乗り切る原動力になった。
「アメリカの合宿の成果が結果に表れたと思う。頑張ったという自信があったのが良かったと思います」
浜田美栄コーチ(59)は「いや、まだまだかな。このこと(故障など)を次の勉強にしないと」と手厳しいものの、頂点に立ったことには変わりない。国際試合の無敗を継続し、ドラマチックな逆転劇も定着してきた。世界選手権(3月20日開幕、さいたまスーパーアリーナ)も日本のエースとして臨む。まだシニア1年目の16歳。シンデレラストーリーに終わりが見えない。
《浜田コーチの“魔法の言葉”》 この日の朝には、浜田コーチは紀平に児童文学「オズの魔法使い」の話をしたという。「ライオンが勇気をもらいに行きますよね。勇気をもらうためにこれ(試合に)に出て行くんだねって」。故障をはね返しての逆転Vは、財産になると感じている。演技後は「ライオンになれたね」とねぎらった。平昌五輪4位の宮原ら数々の教え子を励ましてきた“言葉の魔術師”らしく、巧みに気持ちを乗せた。
▽四大陸選手権 欧州をのぞく国と地域で争う大会。大会名はアジア、アメリカ、オセアニア、アフリカの大陸を指す。1998―99年シーズンから毎年開催。米国では7年ぶり5度目の開催。
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