引退危機から近鉄へ―ラグビー界のエリート街道歩んだ正面健司の“最後の仕事”
2019年06月01日 10:00
ラグビー
![引退危機から近鉄へ―ラグビー界のエリート街道歩んだ正面健司の“最後の仕事”](/sports/news/2019/06/01/jpeg/20190531s00044000292000p_view.jpg)
実は引退危機だった。昨季で神戸製鋼との契約が切れた。その後、どのチームからもオファーが届かなかった。ひっそり消えていくことを覚悟した。
「現役続行と言いながら、引退したら“はずい(恥ずかしい)”なと思いながら、それでもいいかなって思っていました。それが近鉄に声をかけてもらって、またラグビーをやりたいと思えました」
弾んだ声が充実している証拠。もともとよくしゃべる男である。ユーモアセンスもある。だが、人の気持ちや自分の立場を考え過ぎるあまり、発言を控えることも多い。SO、FBをメインとし、WTBもできる日本代表2キャップは、神戸製鋼での晩年、外国勢の壁に阻まれ出場機会が激減していた。15季ぶりVに沸いた昨季も蚊帳の外だった。それに比例し、報道陣に対して、持ち前のトーク力が影を潜めていた。
新天地ではつらつとしている。来季のトップリーグ昇格を狙う古豪では、主にFBで練習している。36歳は元気いっぱいだ。
「できる感覚はありますよ。もともと走れないので、衰えた感覚がありません」
チームの寮で夕食を食べて帰ることが多い。昭和58年生まれは、平成生まれと食卓を囲み、「平成の名曲というのがテレビでやっていて、みんなKANを知らなかったんですよ」とジェネレーションギャップを感じつつも、アドバイスを送り、日々にやりがいを感じている。6月1日にNTTドコモと今季初の練習試合を迎える。
優れた判断力、パス技術、ランニング能力を備えるゲームメイカーは、タックラーの顔も持ち合わせている。神鋼時代、ターンオーバーにつながる「インパクトタックル」を何度も決めた。取材に訪れた5月28日、全体練習が終わると、雨の中、真っ先に取り組んだのはタックル練習だった。クールでひょうひょうとしているが、骨っぽい。正面健司は健在だ。(倉世古 洋平)
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