日本「誇り」のノーサイド W杯過去最高8強 ジョセフHC「諦めないで立ち上がり、戦い続けた」

2019年10月21日 05:30

ラグビー

日本「誇り」のノーサイド W杯過去最高8強 ジョセフHC「諦めないで立ち上がり、戦い続けた」
<日本・南アフリカ>南アフリカに敗れたものの明るい表情で記念写真に納まる日本代表フィフティーン Photo By スポニチ
 【ラグビーW杯準々決勝   日本3―26南アフリカ ( 2019年10月20日    味スタ )】 日本は南アフリカに3―26で敗れ、ホスト国として迎えた9度目のW杯を過去最高のベスト8で終えた。前半は3―5と食らい付いたが、後半は過去優勝2度の相手に圧倒された。16年秋に就任したジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチ(HC、49)、17年秋に代表復帰したリーチ・マイケル主将(31=東芝)を中心につくり上げてきた「ONE TEAM」が、日本列島に新たなラグビー文化の種をまき、次の4年へ夢をつないだ。
 4万8831人が詰めかけたスタンドはため息をつくことなく、終わることのない拍手とねぎらいの言葉を送った。3―26。スコアも内容も完敗。ホームの後押しを受けても、4強の壁は厚かった。それでも桜のエンブレムを胸に付けた戦士たちは、フルタイムの合図まで死力を尽くした。80分間、1秒たりとも諦めなかった。

 「本当にこのチームに誇りを持っている。全ての選手、試合に出ていない選手にもだ。20点以上の差がついても、諦めないで立ち上がり、戦い続けた。この誇りは忘れない」

 就任から丸3年。節目を迎えたジョセフHCは、選手にねぎらいの言葉を贈った。「ONE TEAM」のスローガンを掲げ、紆余(うよ)曲折を経て一つになったチームを、誇らしげに称えた。

 4年前の再現を狙ったが、南アフリカの強さと本気度は当時より数段上だった。戦前、ジョセフHCは「南アが何をしてくるか分かっている」と、相手のフィジカルとセットプレーを警戒。相手は分析通りのプレーを選択してきたが、対抗できなかった。象徴的だったのが後半26分。ハーフウエーラインからのラインアウトモールを30メートルも押された末に、SHデクラークのトライを許した。リーチ主将は「相手が強みを100%出してきた。それに対応できなかった」とうなった。

 それでもこの3年間の歩みを、後悔する者は一人もいない。エディー・ジャパンに終止符が打たれ、本来よりも半年遅れの16年秋に始動したジョセフ・ジャパンを待ち受けていたのは、荒波の連続。指導体制、チームづくり、ラグビーの方向性、全てが180度転換した中で、コーチングスタッフと選手は衝突を繰り返し、結果も出なかった。リーチや堀江が、ジョセフHCと対立。そうした難局を乗り越え「今では凄くいい感じでコミュニケーションを取っている。2人は本当にいいコンビ」とリーチ。結束が、史上最高の結果へと導いた。

 続投が決定的なジョセフHCは「(3年間で)選手の考え方が変わった。信念と自信ができた。ヘッドコーチとして、選手たちに信頼してもらうことが一番の達成」と言った。日本人をはじめ、6カ国の出身者が「ONE TEAM」になり、日本と世界に大きな足跡を残した1カ月間。4年後へ夢をつなぎ、チームは一つの歴史となった。

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