ラグビー名門、御所実・竹田監督 30年前の悪夢振り払い 宿命のライバルと対戦へ
2020年11月28日 10:00
ラグビー
花園予選まで残り8カ月を切った3月2日から学校は一斉休校。部活動も完全休止で寮生活の部員も実家へ帰ることになった。竹田監督は「今まで教師生活36年やりながら、そういう時間って1回もなかったので、どうしたらいいかわからなかった」と話した。
6月1日、3カ月にも及ぶ個人練習の期間を経て、ついに練習が再開された。しかし、練習再開後も接触プレーが制限され、思うような練習ができず竹田監督は「こっちで企んでいることが全然できない」と焦っていた。そして、その焦りに追い打ちをかける出来事が起こった。花園予選まで残り1カ月と迫った練習で期待の1年生・矢野緋色(ひいろ)君がタックルをした時に頭を強打し、意識不明となり病院へ救急搬送。竹田監督には30年前の悪夢がよみがえった。
89年に体育教師として赴任し、部員2人で廃部寸前だったラグビー部を立て直すため部員集めに奔走した竹田監督。熱心な勧誘が実を結び部員は27人に増えた。だが、翌年に悲劇が起こる。一番初めに声をかけた北島さんが練習試合で頚椎を損傷し、2カ月後に亡くなった。「自分が殺したことと一緒。教師を辞めようと」と、自らを責め続けた。それでも北島さんの父・進さんから「頼むからラグビー部だけは潰さんといてや」と伝えられ、思い止まった過去があった。
竹田監督、チームメートは矢野君の無事をひたすら祈った。そして事故から3日後、意識が戻ったという連絡が入り、全員が安どした。矢野君は、その事故から1週間後にはスクワットなどのリハビリができるまでになる驚異的な回復を見せていたが、花園予選には間に合わなかった。
竹田監督は「矢野が帰ってきてグラウンドに立ってくれることを、みんなも望んでいると思います」と、チームは矢野君の思いを背負い一つにまとまった。花園予選を順当に勝ち上がり決勝まで進んだ。相手は26年連続で県予選決勝を戦う「宿命のライバル」天理。決勝戦前日に竹田監督は選手たちにあるビデオを見せた。それは懸命にリハビリを続ける矢野君の姿だった。そして「花園に連れて行ってください」というメッセージを胸に竹田監督、部員は決勝の舞台に臨んだ。そして、宿敵・天理との一戦へ…。
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