米国務省 日本への渡航中止勧告も…五輪は「安全な参加可能」オリパラ委が声明
2021年05月26日 05:30
五輪
レベルの引き下げには28日連続で1段階下の基準を満たす必要があり、日本が「レベル3」に戻るのは早くとも6月下旬となる。米国務省は一時緩和していた渡航警戒レベルの見直しを4月20日から始め、現時点で「渡航中止」対象国は約150カ国・地域に拡大。24日には国連のアントニオ・グテレス事務総長が世界保健機関(WHO)総会で「我々はウイルスと戦争状態にある。戦時体制の論理とスピードによる対応が必要だ」と訴えた。
一方でUSOPCは、警戒レベル引き上げを受け声明を発表。「東京の組織委員会とともに選手やスタッフに感染予防策を実施しており、渡航前と日本到着時、大会期間中にも検査を受けるため、米国代表の安全な参加が可能と自信を持っている」と参加の意思を明確にした。しかし、米国の五輪代表選考会は主要種目の水泳、陸上、体操がいずれも6月と、本格化はこれから。AP通信は渡航中止の警告が「選手が五輪に参加するか否かの判断に決定的な要因となる可能性がある」と指摘した。
英BBCはこの日、「日本国民の多くは渡航中止の警告が米国選手団撤退の前兆であることを望んでいる」と報じ、「米国選手団が撤退すれば日本政府は確実に五輪中止の決定を下すからだ」と理由を説明。日本政府は自ら中止を決断できない体質で“外圧”頼みとも指摘した。都の準備担当者は「日本が危ないというメッセージになり、歓迎されない大会になってしまうかもしれない」と反応を懸念した。
《橋本会長も丸川五輪相も“五輪に影響なし”》米国が日本への渡航警戒レベルを引き上げたことに関し、東京五輪・パラリンピック組織委員会の橋本聖子会長は「大会への影響はないと思うし、ないようにしないといけない」と話した。来日人数削減などを徹底する“3徹”を掲げ「理解していただける準備をしたい」とした同会長はこの日、大会時の車両基地を視察した。また、丸川珠代五輪相も「影響が何か見込まれるということはない」との見解を示した。
▽米国の渡航警戒レベル 米国務省が国民の国外渡航や滞在に関して出す安全情報で、レベル1が「通常の注意」、2が「注意を強化」、3が「渡航を再検討」、最も厳しい4は「渡航中止勧告」。日本は21日にCDCによる4段階の渡航情報で「レベル4」の基準に達した。「レベル3」は人口20万人超の国・地域では過去28日間の人口10万人当たりの新型コロナウイルス新規感染者数が51~100人。ワクチンが広く普及していれば前倒しで引き下げる可能性もある。
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