石川遼も育てた、笹生の高校恩師絶賛「頭がいい。自分で考える力がある」

2021年06月08日 05:30

ゴルフ

石川遼も育てた、笹生の高校恩師絶賛「頭がいい。自分で考える力がある」
優勝トロフィーを掲げる笹生優花(AP) Photo By AP
 【米女子ゴルフツアー 全米女子オープン最終日 ( 2021年6月6日    カリフォルニア州 オリンピック・クラブ=6486ヤード、パー71 )】 昨年、高校を卒業したばかりの笹生。全米女子オープンゴルフ史上最年少制覇という快挙の裏には、男子トッププロ石川遼(29)を育てた「名将」の存在があった。
 「日本人の緻密さと、外国人選手のバネとスピード。ハイブリッド型の才能で、初めて見たときは衝撃を受けました」と語るのは、笹生が卒業した通信制の代々木高校ゴルフ部の吉岡徹治監督(58)。杉並学院高の監督時代に石川を育て、2010年に代々木高の「アスリートゴルフコース」の監督に招かれた。

 2016年に教え子を連れてタイのジュニア大会に参加した際、笹生のプレーに「石川遼以来」と驚愕(きょうがく)。フィリピンを拠点としていた笹生をスカウトし、同校へ入学させた。

 物理教師でもある吉岡氏は、打ったゴルフボールのスピン量や弾道などを確認できる測定器「トラックマン」などを使用したデータを笹生に提供。米国やオーストラリアなどの世界中の大会で武者修行を積ませ、一方で日本のトーナメントの主催者に「凄い選手がいる」と出場をお願いして回った。

 3年間サポートした秘蔵っ子の快挙。7日は「前半、スコアを落とした時点で、ああ、もう(優勝は)ないなと、生徒を車に乗せて練習に向かった」という。移動中に携帯電話が鳴りやまなくなり、「びっくりしました。まさかこんなに早く夢をかなえるとは。指導者冥利(みょうり)に尽きます」と喜びをかみしめた。

 笹生の長所は「頭がいいところ」。語学は、日本語、タガログ語、英語のほかに韓国語やタイ語、中国語も話せる。「コースマネジメントをしっかり考えてプレーしている。言われるままでなく、自分で考える力がある。ボキャブラリーも豊富」と思考力が石川と共通するという。

 2度目のマッチアップとなった畑岡奈紗(22)に「ジュニア時代から対戦してきて、ライバル意識もあったでしょう」と負けん気の強さも明かした。

 コロナ禍で、昨年1月にフィリピンで一緒に練習してから会えていない。「(再会したら)サインちょうだいって言おうかな。いや、頑張れって言います」とちゃめっ気たっぷりに教え子のさらなる成長を期待した。

 《学習面はコツコツ取り組む“刻んで”いくタイプ》代々木高の「アスリートゴルフコース」は、プロゴルファーを目指す生徒らがトレーニングや全国での大会出場と両立し、通信制で高校卒業単位の取得ができる。メンタルトレーニングや栄養学、マスコミ学など、アスリートに必要な特別講座も設置している。3年間笹生の担任を務めたゴルフ部部長の山中辰男教頭(56)は、笹生の印象を「真面目で礼儀正しい」と説明。学習面は「コツコツと取り組み、提出物が遅れることも全くなく、単位も規定通り取得した」と“飛ばし屋”ではなく“刻んで”いくタイプだったと振り返った。 

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