照ノ富士 早くも“横綱相撲”で連勝、攻めさせ胸合わせ盤石寄り 強引小手投げ封印

2021年07月06日 05:30

相撲

照ノ富士 早くも“横綱相撲”で連勝、攻めさせ胸合わせ盤石寄り 強引小手投げ封印
照ノ富士(右)が寄り切りで若隆景を下す Photo By 共同
 【大相撲名古屋場所2日目 ( 2021年7月5日    ドルフィンズアリーナ )】 綱獲りと3連覇を目指す照ノ富士は新小結・若隆景を寄り切って2連勝とした。もろ差しから攻め立てられたが、左上手を引いて逆転勝ちした。6場所連続休場明けで、進退を懸ける横綱・白鵬も平幕・遠藤を上手出し投げで仕留めて2連勝。大関・正代は大栄翔を突き落として初日から白星を並べたが、貴景勝は逸ノ城に寄り切られ初黒星を喫した。
 相手に思う存分攻めさせて、そこから徐々に勝機を探っていく。照ノ富士が一足早い横綱相撲で連勝発進を決めた。

 「落ち着いて取れて良かった」。表情を緩めず振り返ったのは手応えの証だろう。相手はここ2場所、技能賞受賞の若隆景。立ち合い、左上手を取って左へ回り込んだ若隆景に対し、慌てなかった。組み止めて左から抱え込み、もろ差しからの寄りも弓なりになってこらえた。直後、上体を伸ばして手をかけた左上手。胸を合わせた盤石の寄りで、勝負をつけた。

 攻防の中で強引な小手投げなどに出るそぶりはなかった。逆におっつけを武器とする新鋭に、わざとまわしを取らせて距離を詰め、料理したとも映る頭脳的取り口。「流れでそうなっているだけ。特に狙ってやっているわけではない」。常々、口にしている「稽古場でやってきたことしか場所で出ない」との言葉通り、普段の鍛錬が体に染みついているようだ。

 照ノ富士について、土俵下で見守った藤島審判長(元大関・武双山)は「やっぱり自信があるという証拠でしょう」と言う。八角理事長(元横綱・北勝海)は「昨日、今日ではなく、この1年で“負けないんだ”という自信を取り戻している」と、序二段からの劇的な復活劇で蓄積されたものだと指摘した。

 遠藤、若隆景とうるさい相手を冷静に下しての好スタート。「まだ始まったばかり。ここからだ」。心身ともに良好の状態で、3連覇も懸かる千秋楽までの闘いを見据えた。

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