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阿炎が“並走”貴景勝を気迫で撃破 1差死守で3人目の再入幕Vへ「胸を借りるつもりで」照ノ富士に挑む

2021年11月27日 05:30

相撲

阿炎が“並走”貴景勝を気迫で撃破 1差死守で3人目の再入幕Vへ「胸を借りるつもりで」照ノ富士に挑む
貴景勝(右)を攻める阿炎 Photo By 共同
 【大相撲九州場所13日目 ( 2021年11月26日    福岡国際センター )】 7場所ぶりに幕内復帰した平幕の阿炎が1敗対決で大関・貴景勝を撃破し、逆転優勝に望みをつないだ。立ち合いで踏み込まれても攻め続け、気迫のこもった押し出し。14日目は全勝の横綱・照ノ富士に挑む。照ノ富士は阿炎に勝てば新横綱から2場所連続となる6度目の優勝が決まる。
 気迫で白星をもぎ取った。立ち合いで阿炎は貴景勝の当たりをもろ手で止めた。やや踏み込まれたものの、懸命に足を前へ運ぶ。自身より身長が13センチも低い相手より、さらに低い体勢から体重を乗せた突きを繰り出す。土俵を左へ回り込む相手を逃がさず追撃し、土俵下まで吹っ飛ばした。「いつも通り研究して備え、胸を借りるつもりでいった」との言葉を体言した一番。優勝争いに生き残った。

 八角理事長(元横綱・北勝海)は1メートル88の長身力士が、低い姿勢で攻め抜いた姿に努力の跡を見て取る。「頭を下げて圧力をかけるのは、体で覚えるしかない。一瞬でやれと言われてもできない」と豊富な鍛錬が背景にあることを指摘した。

 昨年7月場所で新型コロナウイルス対策のガイドライン違反が発覚し、3場所出場停止処分を受けた。「相撲と向き合うと決めた。しっかり向き合わないと次のステップに進めない」。かつては奔放な発言で物議を醸すなどヤンチャな印象を世間に与えていた。性根を入れ替え、今年春場所に幕下下位から再出発した。

 照ノ富士を1差で追う状況は変わらない。14日目の直接対決で勝てば、1敗で並ぶ。再入幕した場所で優勝すれば20年初場所の徳勝龍、同7月場所の照ノ富士に続いて3人目の快挙。前記2人の場合は白鵬、鶴竜が途中休場して最終盤の土俵に横綱がいなかった。横綱を破っての優勝なら価値は高い。「一切気にしていない。また胸を借りるつもりで」。無欲で大一番に臨む。

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