松田 涙の復活V!五輪落選バネにパリ予選切符つかんだ 自己新&大会新2時間20分52秒

2022年01月31日 05:30

マラソン

松田 涙の復活V!五輪落選バネにパリ予選切符つかんだ 自己新&大会新2時間20分52秒
<第41回大阪国際女子マラソン>自己新&大会新記録で優勝した松田瑞生(撮影・坂田 高浩) Photo By スポニチ
 【陸上 大阪国際女子マラソン ( 2022年1月30日    大阪市・ヤンマースタジアム長居発着 )】 松田瑞生(26=ダイハツ)が大会新記録、日本歴代5位となる2時間20分52秒で2年ぶり3度目の優勝を果たした。この大会は3戦3勝。勝負強さを発揮した。今夏の世界選手権(米オレゴン州)代表候補となり、2024年パリ五輪代表選考会「マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)」(23年秋開催予定)出場権も獲得。地元の浪速路から復活へ、再スタートを切った。
 月桂冠をいただく松田の目が潤んだ。「率直に悔しかった」。地元大阪で3戦3勝、しかも自身と大会の記録を更新。しかし20年名古屋ウィメンズで一山麻緒(ワコール)がマークした日本人国内最高の2時間20分29秒には23秒及ばなかった。

 「今回の目標は、一山選手のタイムが私の最低ラインだったので。クリアできず悔しい気持ちが大きい」

 胸の内に秘めた目標の理由は、もちろん20年の東京五輪選考レースにある。1月に大阪国際女子で快走。ほぼ五輪切符を手中にしたかに見えたが、3月の名古屋で一山に逆転された。つらい経験を現在は前向きに捉える。「東京五輪のスタートラインに立っていたら私は陸上を続けていなかったと思う。この経験があったから今がある。そう言えるようになった」。支えてくれた家族や所属の山中美和子監督をはじめ仲間ら周囲の人たちに感謝の思いを抱き42・195キロに臨んだ。

 日本記録を狙える設定の第1集団は序盤から自身と上杉だけ。ペースメーカーの前に出る場面もあるほど積極的で25キロ付近から上杉を引き離した。タイムを狙うために重要な30キロすぎは「ここから世界の猛者はどういう走りをするか」と想像を膨らませ踏ん張った。

 山中監督から「休め」「やるな」と制止の言葉をかけられるほど豊富な練習量で体脂肪率7~8%、筋肉質の体をつくった。「でも月経がきてしまい最後の調整がいつもと違った。(ベストに比べ)7割ぐらいの状態」。それでも自己新を出した上に「前回より余裕があった」。まだ上積みできる感触を得た。

 パリ五輪につながるMGC切符もゲット。「沿道(のファン)からも“パリ”“パリ”と言われたけど、私の中で、まだパリは浮かんでない。(今夏の)世界陸上(米オレゴン州)で頑張って、その先にパリがあると思う」。慌てず着実に復活ロードを歩む。

 ◇松田 瑞生(まつだ・みずき)1995年(平7)5月31日生まれ、大阪市出身の26歳。中1から陸上を始め、大阪薫英女学院高では3年連続で全国高校駅伝に出場。ダイハツに入り17、18年と日本選手権1万メートルを連覇。同種目で17年世界選手権出場。肉体を鍛え上げ「腹筋女王」のニックネームもある。1メートル58。

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