競技数少なくても夏と同じ17日間 冬季五輪は「太く短く」検討を

2022年02月18日 05:30

五輪

競技数少なくても夏と同じ17日間 冬季五輪は「太く短く」検討を
北京五輪で行われたスノーボード(撮影・小海途 良幹) Photo By スポニチ
 【藤山健二 五輪愛】連日熱戦を繰り広げてきた大会も、残すところあと3日となった。毎回、大会終盤のこの頃になると必ず同じような疑問が頭をもたげてくる。「冬季五輪の期間はもっと短くてもいいのではないか」という疑問だ。
 昨夏の東京五輪が33競技339種目なのに対し、北京五輪は7競技109種目。これだけの差があるのに期間は同じ17日間。フィギュアスケートの選手などは団体戦のために開幕より前に北京入りし、自分の競技が終わった後も最終日のエキシビションまでずっと選手村にいなくてはならない。これが団体戦のない世界選手権なら5日間で終わりなので、選手の健康管理上からもあまりいいこととは言えないだろう。

 実際、72年の札幌五輪は11日間(35種目)だったし、84年のサラエボ五輪(39種目)まではだいたい同じような日程だった。当時は冬夏両大会が同一年に開催されており、冬も夏と同じような収入源にしようと考えたIOCは88年のカルガリー五輪(46種目)から期間を一気に16日間に延長。日程を埋めるために新種目を次々と採用し、94年リレハンメル五輪(61種目)から2年に1度五輪が開かれる現在の形を作り上げた。つまり、種目が増えたから日数を延ばしたのではなく、先に日数を延ばしてから強引に種目を増やしたというわけだ。

 ただ、夏と違って冬の競技は基本的に雪か氷しかなく、必然的にフリースタイルスキーやスノーボードなどに似たような種目が次々と誕生することになった。フィギュアの団体戦などはいまだに「必要ない」という声が絶えない。

 五輪がこれからもスポーツ界の頂点であり続けたいのなら、目指すべきは規模の拡大ではなく縮小だ。期間を短くして中身を濃くした方が選手のためにもなるし、大会経費の削減にもつながる。もし本当に30年札幌五輪を招致するのなら、期間の短縮を検討してみてもいいのではないだろうか。(特別編集委員)

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