【玉ノ井親方 視点】若隆景 間一髪「我慢」で上回る

2022年03月28日 05:30

相撲

【玉ノ井親方 視点】若隆景 間一髪「我慢」で上回る
高安を上手出し投げで破り優勝を決める若隆景(右)(撮影・後藤 正志) Photo By スポニチ
 【大相撲春場所・千秋楽 ( 2022年3月27日    エディオンアリーナ大阪 )】 決定戦は若隆景と高安が、お互いの力を出し切る白熱した一番となった。ただ、土壇場での粘りとしぶとさで若隆景がわずかに相手を上回った。土俵際で高安の突きに上体をのけぞらせながらも、右膝を深く折り曲げ我慢。とっさに相手の太い腕を手繰るように右に回り込む。最後は辛うじて右手が高安の左まわしに届き、そのまま送り出した。まさに間一髪の逆転勝ちだった。
 両力士とも、本割の相撲には硬さが見られた。高安は体が全く動いておらず、若隆景も正代に簡単に右差しを許した。特に高安は精神的な影響が阿炎との一番に出てしまった印象だ。

 優勝した若隆景は今場所が大関獲りの起点になる。さらに上を目指すには、出足の強化が一番。右を差せば力が出る。左で前みつを取って、引きつけて出る形を磨けば成績はもっと安定する。一方の高安はこの悔しさをバネに、また一から体をつくり直すことだ。そうすればチャンスは必ず巡ってくる。(元大関・栃東)

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